10月22日(水)
 22日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ第2ステージ第5戦が行われ、投打で圧倒した埼玉西武が北海道日本ハムを9−0と完封で下し、ペナントレース、クライマックスと完全制覇で4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。
 一方、第2ステージ初戦を迎えたセ・リーグは、土壇場で勝ち越しを決めた中日が4−3で接戦を制し、巨人との対戦成績を1勝1敗とした。

◇パ・リーグ第2ステージ(第5戦)
 涌井、散発3安打で完封(西武4勝2敗、西武ドーム)
北海道日本ハム    0 = 000000000
埼玉西武        9 = 01400013×
勝利投手 涌井(2勝0敗)
敗戦投手 グリン(0勝2敗)
本塁打  (西)後藤2号ソロ
 第1戦と同じく西武・涌井秀章、日本ハム・グリンの先発で始まったこの試合、序盤から西武が試合の主導権を握った。まずは2回裏、6番・後藤武敏が2死無走者からカーブをうまくとらえ、バックスクリーンへ先制のアーチを放つ。

 この一発で打線が一気に目を覚ました。3回裏には2死無走者から1番・片岡易之、2番・栗山巧が出塁すると、3番・中島裕之がライト前へ。俊足の片岡が二塁から一気に三塁をまわり、2点目のホームを踏んだ。制球が定まらないグリンは、さらに4番・中村剛也、5番・石井義人に連続四球を与えて押し出しで1点を失う。

 ここで日本ハムは藤井秀悟にスイッチするが、その藤井も後藤に初球をとらえられ、わずか1球で2点を失った。それでも4、5回は三者凡退に打ち取り、6回は3四球で自ら1死満塁のピンチを招くも、後続を抑えて追加点を許さなかった。だが、武田久、建山義紀とその後のリリーフ陣が踏ん張ることができず、さらにリードを広げられる。

 一方、西武は先発の涌井が8回までわずか1安打に抑えるパーフェクトピッチングを披露した。そして9点リードで迎えた最終回、マウンドにはそのまま涌井が上がる。ここで日本ハムも意地を見せ、2死ながら一、二塁と反撃の狼煙を上げた。バッターボックスには前の打席でチーム初安打を放った3番・稲葉篤紀。稲葉はカウント2−3まで粘った。しかし、最後は涌井の渾身のストレートを空振り三振。稲葉のバットが空を斬った瞬間、日本ハムの連覇の夢が消えた。

 レギュラーシーズンの勢いそのままに、王者の貫禄を存分に見せつけた西武。次はいよいよ真の王者決定戦に臨む。詰め掛けたファンの前で今季2度目となる胴上げをされた渡辺久信監督は次のようにコメントした。

「地元で決められたのでよかった。終盤からチーム自体が苦しかったが、シーズンが終わって合宿でチームが一つになり、いい状態でクライマックスに。日本シリーズに出たいという気持ちがチーム全体にあったので、こういう結果になったと思う。まだ大きな仕事は残っているが、今日勝たないとどうにもならないので、チームが一つになって今日の1勝をとりにいこうと話をしていたので、選手は本当に頑張った。去年の秋からチームを預かって、最終目標は日本一。その権利をもらったということで、我々は自信をもって臨みたい」

◇セ・リーグ第2ステージ(第1戦)
 中村紀、決勝タイムリー!(中日1勝1敗、東京ドーム)
中日    4 = 200010001
巨人    3 = 100110000
勝利投手 小林(1勝0敗)
敗戦投手 クルーン(0勝1敗)
セーブ   岩瀬(1S)
本塁打  (中)李1号ソロ、ウッズ1号ソロ
       (巨)谷1号ソロ

 中日がまたも土壇場で勝ち越しを決め、短期決戦への強さを見せた。
 初回、打線が巨人・グライシンガー、中日・山本昌の両先発を攻め立てた。まずは中日が1番・李の先頭打者ホームランで先制すると、2死からは4番・ウッズにも一発が出て、2点をリードする。

 しかし、山本昌もグライシンガーに付き合うかのように、先頭打者の鈴木尚広を死球で出してしまう。2番・木村拓也はセオリー通り送りバントで鈴木をスコアリングポジションに進めた。続く3番・小笠原道大はライトフライに倒れるも、鈴木は三塁へ。ここで主砲の4番・ラミレスがセンター前へタイムリーを放ち、巨人は1点を返した。

 4回裏には6番・谷佳知の一発で巨人が同点に追いつく。続く5回は両者ともに1点ずつを加えて3−3とし、その後はゼロ行進が続いた。

 6回表、先頭打者の李をセカンドゴロに打ち取ったところで、中日ベンチが動いた。次打者の谷にホームランを打たれている山本昌に代え、2年目の清水昭信をマウンドに上げた。清水は期待通りこの回を無失点に抑えると、続く7回は三者凡退に切ってとる好投を見せた。

 試合はそのまま最終回へと突入した。巨人は守護神・クルーンを投入する。しかし、そのクルーンを中日打線が攻め立て、2死ながら一、三塁と一打勝ち越しのチャンスを得る。ここでバッターボックスには6番・中村紀洋。中村はこの試合、まだヒットを打てずにいた。クルーンは中村に150キロ以上のストレートで押し、カウント2−2まで追い込んだ。そして運命の7球目。バッテリーが選択したのはフォークだった。中村はそのフォークをうまくすくい上げ、センター前へ。三塁ランナーが悠々と返り、中日が勝ち越しを決めた。

 結局、これが決勝点となった。その裏、中日は満を持して守護神の岩瀬仁紀を上げる。岩瀬は危なげないピッチングできっちりと3人で終わらせ、中日が4時間にも及ぶ死闘を制した。これで巨人のアドバンテージ1勝を含め、対戦成績は1勝1敗のタイとなった。