11月14日(金)
 14日、アジアNo.1を決定するアジアシリーズ第2戦が行われ、埼玉西武は台湾王者の統一ライオンズと対戦した。序盤はチャンスをいかすことができず、逆に統一に先制を許した西武だったが、すぐに得意の連打で逆転。わずか1点差を死守し、西武が接戦を制した。

◇第2戦
 赤田、決勝タイムリー!(東京ドーム)
統一ライオンズ   1 = 000100000
埼玉西武       2 = 00020000×
勝利投手 岸
敗戦投手 潘威倫
 前日、韓国のSKワイバーンズに惜敗した西武はこの試合に負ければ、その時点で決勝進出が断たれることになる。その大事な一戦に日本シリーズでMVPに輝いた岸孝之が先発のマウンドに上がった。

 その岸がベンチの期待に応え、3回まで無安打に抑える完璧なピッチングを見せた。だが、打線は毎回のようにランナーを出すも、あと一本が出ない。2回裏には1死三塁のチャンスを得たが、7番・大島裕行、8番・銀仁朗が倒れ、ランナーをホームに返すことができなかった。3回裏も2死ながら二、三塁とするも4番・中村剛也がショートゴロに倒れ、またも先制することができなかった。

 均衡を破ったのは統一だった。4回表、先頭打者の陽森がチーム初安打となる二塁打を放つと1死後、4番・ブリトーの犠飛で待望の先取点を挙げた。しかしその裏、西武は先頭打者の5番・石井義人が左中間を破る二塁打を放つと、6番・佐藤友亮のセカンドゴロの間に石井は三塁へ。一打同点のチャンスに大島が二遊間を破るタイムリーを放ち、西武が同点に追いついた。さらに2死二塁から9番・赤田将吾のタイムリーで西武が逆転に成功。これが決勝点となる。

 岸は5回から7回まで三者凡退に切ってとる圧巻のピッチングで8回まで統一に追加点を許さなかった。その岸から最終回のマウンドを引き継いだ星野智樹が簡単に2死を取ると、最後は小野寺力がファウルフライに打ち取り、これをキャッチャー・銀仁朗ががっちりとグラブに収め、ゲームセット。わずか1点差を競り勝ち、1勝1敗とした西武は決勝進出に望みをかけた。

 試合後、安堵の表情を見せた渡辺久信監督は次のようにコメントした。
「今はアジアのレベルも上がってきているのでそう簡単には勝たせてもらえない。チャンスをつくりながらなかなか得点できなかったので嫌な感じはしていたが、塁には出れていたので、チャンスはくるなと思っていた。先にいかれたが、取られた次の回にしっかりと得点して、なおかつ逆転までもっていってくれたのでよかった。(岸は)疲れていると思うが、最後の力を振り絞ってよく投げてくれた。今日負けたら決勝はない。どんなかたちでも今日は勝つことが大事だった。相手もいいチームでいい試合になってよかった。明日も勝たないと話にならないので、全力でいく」

 また決勝タイムリーを放ち、打の救世主となった赤田は次のように述べた。
「今日は負けたら決勝にはいけないので、なんとしても勝つという気持ちでいった。(決勝打は)チャンスの場面だったので初球から積極的にいった。ちょっと詰まったが落ちてくれたのでよかった。ここに来て調子がいいので、頑張りたい。勝つことによってムードもよくなるので、明日も勝って決勝でリベンジしたい。今日と同じく勝つことだけを考えてチーム一丸となって頑張りたい」

 西武は明日、中国の天津ライオンズと対戦する。決勝進出には明日の勝利は絶対条件となるだけに、西武にとっては負けられない試合が続く。