1日、Jリーグは臨時理事会を開催し、今季J2で優勝したサンフレッチェ広島と2位を確定させているモンテディオ山形のJ1昇格を承認した。また、JFL(日本フットボールリーグ)に所属するJリーグ準加盟クラブの栃木SC、カターレ富山、ファジアーノ岡山のJリーグ入会を認めた。今回の決定により来季はJ1、J2とも18クラブでシーズンを迎えることとなる。
(写真:理事会後の会見に臨む鬼武チェアマン)
 今季のJ2では、広島がシーズン序盤から圧倒的な強さをみせ首位を独走。37節の愛媛戦を4−1で制した時点で昇格条件であるシーズン2位以内を早くも確定させた。続く38節ではセレッソ大阪を下し優勝も手にしている。また、山形はシーズン中盤までC大阪と激しい2位争いを繰り広げたが、終盤からは着実に勝ち点をものにし、11月30日の44節で愛媛を3−2で破り、2位の座を確保。Jリーグ参加10年目で悲願のJ1昇格を果たした。残り1試合となったJ2は3位の座を巡り混戦を繰り広げている。仙台、C大阪、湘南に3位の可能性があり、最終節での結果が注目される。3位に入ったクラブは12月10、13の両日でJ1の16位クラブとホームアンドアウェー方式の入れ替え戦を行う。

 一方、JFLに目を向けると、11月30日に最終節を迎え、Honda FCが勝ち点74で優勝している。現在、JFLにはJリーグ加盟を目指す準加盟クラブが5つあり、クラブの財政面やホームグラウンドとなるスタジアムの整備状況など様々な要件をクリアすると、Jリーグへの入会が認められる。その要件のひとつに「JFLで4位以内にはいらなければならない」というハードルが設けられており、今季は準加盟クラブのうち、栃木SC(2位)、カターレ富山(3位)、ファジアーノ岡山(4位)がこの要件を満たした。今日開かれたJリーグ臨時理事会で、3クラブのJリーグ入会が満場一致で認められた。

 栃木SCは県内教員サッカー部を母体とし、1994年にクラブチーム化している。99年に関東リーグに昇格し、同年優勝、JFL昇格を果たした。栃木がJリーグへ入会したことにより、関東8都県の全てにJクラブが発足したことになる(15クラブ目)。監督は元山形、京都監督の柱谷幸一氏、本拠地は宇都宮市。「今年の成績は本当に素晴らしい。昔からサッカーの伝統がある栃木県でがんばってもらいたい」と鬼武健二チェアマンはエールを送った。
(写真:栃木SCに承認の連絡をするチェアマン)

 カターレ富山は昨年10月、JFL加盟クラブだった北陸電力サッカー部とYKK APサッカー部が統合し、クラブチーム化し、誕生したクラブ。Jリーグ準加盟が認められたのは今年2月で、実質1年でのスピード入会となる。北信越ではアルビレックス新潟に次いで2クラブ目。本拠地は富山市と中心とする全県。鬼武チェアマンは「平均観客動員は4300とJFLでは破格。Jリーグに上がっても2倍、3倍になるように目指してもらいたい」とサポーターの多い富山の特長にふれた。

 ファジアーノ岡山は07年、地域リーグ(中国リーグ)に所属するクラブとして始めてJリーグ準加盟が認められた。同年に中国リーグで全勝優勝を果たし、JFLへ昇格。昇格1年目でJFL4位となり、Jリーグ入会を果たした。中国地方ではサンフレッチェ広島に次ぐ2クラブ目のJリーグクラブとなる。監督は元日本代表の手塚聡氏、本拠地は岡山市、倉敷市、津山市を中心とする全県。鬼武チェアマンは「ここまでトントン拍子できた印象がある。クラブ発足から時間がない中、スポンサー獲得へ努力してきたことは素晴らしい」とクラブ基盤を整備した運営努力を称えていた。

 Jリーグ入会が承認された3クラブに対し、鬼武チェアマンは「財政面や環境面でも各クラブともJリーグの基準をみたしている」と評価した一方、「今後は地域への貢献や選手とサポーターのつながりを大切にして、県民、市民のみなさんにクラブを愛してもらうように努力してもらいたい」と課題をあげた。

 J1、J2ともに18クラブでの戦いとなる来季のJリーグは、J1は2回戦(1クラブ34試合)、J2は3回戦総当り(1クラブ51試合)方式で優勝が争われる。また、入れ替え戦は今年で終了し、来季からはJ1下位3クラブとJ2上位3クラブが自動で入れ替わることとなる。