準決勝2試合が終わり3位決定戦のカードが決定した。北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)とアジア代表のガンバ大阪(日本)との対戦となる。両クラブを一言で表すと『攻撃的なクラブ』ということになる。
 まずはパチューカの前線を見てみよう。好調を維持しているのはアルゼンチン人FWのダミアン・アルバレスだ。パチューカのポゼッションサッカーの中核を担っている背番号7は今大会1得点を挙げている。鋭いドリブルとタイミングよくDFラインの裏へ走りこむ動きはガンバにとって脅威になる。アルバレスに絡むいい動きを見せているのが19番のFWクリスティアン・ヒメネス。こちらも今大会2得点を挙げている。

 一方、ここまで調子が上がらないのはセンターフォワードのブルーノ・マリオニだ。2試合とも先発出場を果たしているが、今大会では得点なし。決定機に緩慢な動きをみせ相手にクリアされる場面も目に付いた。しかし経験豊かな33歳だけに、一度波に乗ったら侮れない存在となる。今大会は眠ったままメキシコに戻ってもらいたいところだ。

 準決勝では南米王者リガ・デ・キト(エクアドル)を相手にボール支配率66%と圧倒的に攻め続けた。3位決定戦でもポゼッションサッカーを展開し、攻撃的な姿勢をみせることは間違いないだろう。

 一方のガンバは準決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦で5失点を喫しながらも3得点を挙げている。準々決勝で佐々木勇人、二川孝広を負傷で欠いたため、急遽右サイドMFには橋本英郎が入るというスクランブル態勢で臨んだ試合だった。しかし準決勝ではその橋本が1ゴール1アシストの活躍を見せる。もともとユーティリティプレーヤーとして評価の高い選手だが、準決勝ではガンバ攻撃陣の牽引役となっていた。

 ガンバにとってポイントとなるのは遠藤保仁のポジション取りだろう。準決勝では普段よりも下がり目に位置していた。ルーカスを中盤に下げ、播戸竜二と山崎雅人を2トップに配置した。西野朗監督がフォーメーションを決定する際、最初に駒の位置を決めたのは遠藤だろう。マンチェスター・ユナイテッドとの試合では、この策が当たり遠藤が比較的ボールを持つことができた。何本か決定的なパスを前線に送っており、改めて彼の展開力の高さを認識させられた。

 中盤から細かいパスを回すパチューカとの戦いは“中盤の主導権争い”が勝負のカギになる。準決勝同様、遠藤を下がり目のポジションに置き彼の展開力を生かすか、それとも攻撃的MFの位置におき播戸、ルーカスとともに積極的にゴール前に飛び出していくか。西野監督の采配一つで試合の流れは大きく変わりそうだ。