4月2日(木)

高校野球 
◇決勝
 今村、今大会通じて1失点の好投
清峰(長崎)  1 = 000000100
花巻東(岩手) 0 = 000000000
 今大会、左右No.1ピッチャー擁するチーム同士の対戦となった決勝戦は、要所を締める力投が続き、手に汗握る投手戦となった。特に最速152キロを誇る“みちのくの怪腕”の異名をとる花巻東エースの菊池雄星(3年)は毎回のようにランナーを背負うピッチングが続き、試合は清峰ペースで進んだ。
 結局、両校ともに無得点のまま試合は終盤へと入った。均衡が破られたのは7回表。清峰は簡単に2死を取られるも、8番・嶋崎幸平(3年)がストレートの四球で出塁する。ここで9番・橋本洋俊(3年)が左中間を破る二塁打を放つ。嶋崎が二、三塁を一気に回り、ホームへ。清峰に待望の先取点が入った。

 8回裏、1死から9番・山田隼弥(3年)がレフト前安打で出塁し、花巻東が反撃の狼煙を上げた。続く1番・柏葉康貴(3年)の当たりは平凡なファーストゴロになるも清峰のファーストへのカバーリングが遅れ、一、二塁ともにセーフに。花巻東は初めてスコアリングポジションにランナーを置いた。ここで山田が三盗を失敗し、2死となる。しかし、2番佐藤涼平(3年)がセーフティバントを成功させ、一、三塁と一打同点のチャンスをつくった。打席にはキャプテンの3番・川村悠真(3年)。川村は初球から積極的に振りにいくが、清峰エース今村猛(3年)の球威に押され、ファーストフライに倒れた。

 清峰1点リードのまま試合はいよいよ9回裏へ。ここにきて今村のボールのキレはますます冴え渡り、先頭打者の4番・猿川拓朗(3年)、5番・千葉祐輔(3年)を2者連続で空振り三振に打ち取り、初優勝まであと1死と迫る。しかし、6番・菊池が意地を見せ、センター前安打で出塁した。すると、続く7番・横倉怜武(3年)の平凡なショートゴロを遊撃手がファンブルし、一、二塁ともにセーフとなる。ここで花巻東は佐々木大樹(2年)を代打に送った。佐々木は今村のスライダーに食らいつき、粘りを見せるも、最後はそのスライダーを打ち上げた。左翼手のグラブに白球が吸い込まれた瞬間、清峰の初優勝が決定した。長崎県勢にとっては春夏合わせて初の全国制覇となった。