国際オリンピック委員会(IOC)は13日、ベルリンで理事会を開催し、2016年の夏季五輪で追加する競技の候補を7人制ラグビーとゴルフに絞り込んだ。日本が復活を目指していた野球とソフトボールは落選し、2012年のロンドン五輪に続き、2大会連続で実施されないことが決まった。追加競技候補に入った2競技は10月のIOC総会で過半数の賛成が得られれば、正式に採用が決定する。またロンドン五輪では新たに女子ボクシングが行われることになった。
 東京も開催地として立候補している16年五輪。しかし、たとえ招致に成功したとしても、日本のメダルが期待できる野球とソフトボールは行われない。東京で競技を復活させ、金メダルを――関係者の願いは叶わぬ夢となった。

 野球とソフトボールは05年7月、世界的な普及度や人気度の低さから12年のロンドン五輪の正式種目から外された。今回、野球は試合日程を見直し、5日間で終了するプランを提示。短期決戦にすることで、メジャーリーガーも参加しやすい環境を設けた。またソフトボールは、女性の地位向上を掲げるIOCの意向と合致することをアピール。野球とは異なり、五輪が世界最高峰の大会である点も強調した。

 この日の選考では他に空手、スカッシュ、ローラースポーツも含めた7競技に対し、14人の理事が投票を実施。過半数の得票があった競技を追加候補として決定し、最下位を自動的に落選とする方式で投票を繰り返した。その結果、まず7人制ラグビーが過半数に到達。フィジーなどこれまで五輪のメダルにあまり縁のなかった国に上位進出のチャンスがある点、競技用の新たなスタジアム建設が不要な点などが評価された。

 一方、野球は残り4競技となったところで最下位となり落選。メジャーリーガーの参加を復活の条件としていたIOC側に対し、MLBは独自にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)という“世界一決定戦”を開催しており、もともと五輪に乗り気ではなかった。

 最後に残ったゴルフ、空手、ソフトボールのうち、過半数の票を集めたのはゴルフ。タイガー・ウッズらトッププロが参加に前向きで、スポンサー獲得や放映権料での収入が見込める点が決め手となった。ソフトボールは欧州などでの普及度が依然として低く、4年前に除外された際の評価を覆せなかった。