19日、バレーボールワールドグランプリ(女子)ファイナラウンドが東京体育館で行なわれ、日本は先週の予選ラウンドで勝利したドイツにセットカウント1−3で敗れ、初戦を白星で飾ることはできなかった。

ドイツ 3−1 日本
(25−21、16−25、25−17、25−22)
 第1セット、予選ラウンドの疲労からか日本はいつものキレが見られなかった。競りはしたものの、エースのWS栗原恵のスパイク決定率が伸び悩むなどミスを連発し、このセットを奪われた。

 流れを渡したくない日本は第2セット、試合巧者ぶりを発揮。強打に頼らず、フェイントでかわす場面も多く見られ、緩急のついた攻撃でドイツを引き離した。栗原もようやくエンジンがかかり、WS狩野舞子、WS木村沙織らとともに高速アタックをドイツのコートにたたきつけた。

 第2セットを9ポイント差つけて奪い返した日本だったが、第3セットは相手にサーブで攻められ、サーブレシーブが崩れる。と同時にスパイク決定率が悪くなり、逆に8ポイント差をつけられ、このセットを落とす。

 後がなくなり、背水の陣で臨んだ第4セット、中盤までは互いに一歩も譲らない激しい競り合いとなる。しかし、18−18からドイツが速攻を決めると、日本のサーブレシーブが崩れ、相手に再び速攻を決められた。さらに激しいラリー戦の末に日本のスパイクがアウトに。3連続ポイントを奪われ、一気に引き離された。

 日本も粘りを見せるが、大事なところでまたもミスを連発。MB井上香織のサーブミスでドイツにマッチポイントを握られると、最後は木村のスパイクがドイツの2枚ブロックにつかまり、ゲームセット。あまりのきれいなブロックに、日本のレシーブは一歩も動くことができなかった。

「日本がやりたかったことを逆にドイツにやられた」
 試合後、監督、選手たちは一様にそう言って顔をしかめた。「日本のやりたかったこと」。それは大阪、韓国ラウンドで見せたたサーブで攻め、ブロックで得点すること。そのためにはやはりサーブレシーブの安定が絶対条件であることを改めて思い知らされた試合となった。

(写真・斎藤寿子)