世界柔道選手権が26日、オランダのロッテルダムで開幕し、女子48キロ級の福見友子(了徳寺学園職)が決勝でオイアナ・ブランコ(スペイン)に優勢勝ちし、初の金メダルを獲得した。これまで同階級で7度の優勝を収めてきた谷亮子(トヨタ自動車)が不在の中、新女王の座をつかんだ。
 名実ともに“ポスト谷”の称号を得る優勝だ。2002年の全日本選抜体重別選手権で田村(旧姓)亮子の連勝を止め、話題をさらってから7年。07年の同大会でも谷を倒したものの、女王の実績の前に五輪、世界選手権への扉は常に閉ざされたままだった。

 谷の妊娠により、ようやく巡ってきた世界の檜舞台で、福見は強さをみせる。初戦に得意の背負い投げを決めると、準決勝まで4試合連続の一本勝ち。準決勝では北京五輪金メダルのアリナ・ドゥミトル(ルーマニア)を小外刈りで下した。迎えた決勝も福見は積極的に攻めて主導権を握る。残り2分で背負い投げを決めて技ありを獲得。その後も一本を果敢に狙い、守りに入ることなく試合終了のブザーを聞いた。

 また男子60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)は決勝でゲオルギー・ザンタラヤ(ウクライナ)に小外刈りで一本を奪われ、銀メダルだった。平岡は初戦から3戦連続で一本勝ちし、準決勝は優勢勝ちしたものの、初出場で世界を制することはできなかった。男子66キロ級に出場した内柴正人(旭化成)は3回戦でミラリ・シャリポフ(ウズベキスタン)にすみ返しを受け、一本負け。アテネ、北京両五輪の覇者はまさかの敗北を喫した。