四国・九州アイランドリーグは3日、リーグチャンピオンシップ第3戦が長崎・佐世保市野球場で行われ、高知ファイティングドッグスが3−1で長崎セインツを破って、4年ぶり2回目の年間優勝に輝いた。今季の高知は後期に7期ぶりの優勝を果たし、前期覇者・長崎とのチャンピオンシップでは第1戦、第2戦と連勝。負けなしの3勝0敗でリーグの頂点に立った。高知は24日から、BCリーグ王者と今年の独立リーグ日本一をかけ、グランドチャンピオンシップを戦う。
◇10月3日(土)
 吉川、2戦連続の完投でMVP(高知3勝、高知、1,420人)
高知ファイティングドッグス 3 = 010100010
長崎セインツ          1 = 000001000
勝利投手 吉川(2勝0敗)
敗戦投手 石田(0勝2敗)
本塁打   (高)中村1号ソロ

 5日間のインターバル、前日の雨天順延でも流れは変わらなかった。昨年、一昨年の香川に続き、今年もチャンピオンシップは高知の3連勝で幕を閉じた(一昨年の香川は前後期制覇で1勝のアドバンテージ)。

 両先発は高知・吉川岳、長崎・酒井大介。第1戦と同じ顔合わせだった。そして第1戦同様、高知が先手を取る。2回、先頭の中村竜央がレフトへのソロアーチ。1点を先行する。

 さらに4回、1死1塁から本塁打を放っている中村がレフト線を破る2塁打でチャンスを拡大。続く梶田宙にも2塁打が飛び出し、高知が1点を追加した。

 対する長崎は初回、2回と得点圏へ走者を進めるが、初戦で完投を許している左腕の吉川を攻略できない。それでも6回、2死から連続四球でもらったチャンスに7番・松原祐樹が三遊間を抜けるヒットを放ち、1点を返す。だが、続く同点のチャンスを逃すと、7回も2死1、3塁の場面で後続が倒れ、ホームが遠い。

 そして2−1と高知1点リードで迎えた8回、試合の行方を決定付ける1点が入る。高知は1死から2番・西本泰承がヒットで出塁し、続く古卿大知の打席で相手バッテリーがパスボールを犯し、2塁へ。カウント1−1から古卿が打ち返した当たりはレフトの頭上を越えた。2塁走者を迎え入れる貴重な追加点。3−1となり、高知が大きく優勝に近づいた。

 先発の吉川は120球を超える球数ながら、9回もマウンドへ。昨季は故障に泣き、今季も開幕前までは練習生契約だった男が、今やチームの大黒柱として最後まで投げきった。チャンピオンシップ2勝で文句なしのMVP選出だった。優秀選手賞は2試合連続本塁打に加え、この日もダメ押しのタイムリーを放った古卿が輝いた。敢闘賞には敗れた長崎から第2戦に先発して好投した土田瑞起が選ばれた。

 今後はリーグ選抜チームが6日から22日まで宮崎で開催される秋季教育リーグ(みやざきフェニックス・リーグ)に参加する。

<ロッテ・小林憲(元徳島)&白川(元高知)、ヤクルト・小山田(元高知)が戦力外>

 アイランドリーグ出身の千葉ロッテの小林憲幸投手、白川大輔内野手、東京ヤクルトの小山田貴雄捕手がいずれも球団から来季の契約を更新しない旨を通告された。3名はいずれも2年目の育成選手。リーグ出身選手では昨オフ、伊藤秀範(ヤクルト、現BCリーグ・新潟)、深沢和帆(巨人、現香川)が戦力外となったが、このオフはさらに厳しい現実を突きつけられる形になった。

 徳島ではクローザーを務めていた小林は2008年、育成ドラフト3巡目でロッテに入団。1年目はファームで22試合に登板するなど、支配下登録が期待されたが、今季は12試合と登板機会が減少していた。内容も13イニングと3分の1で四死球が9つと安定しなかった。既に本人は11月のNPB12球団合同トライアウトへの参加を決めており、他球団との再契約を目指す。

 08年に育成ドラフト4巡目で入った白川はまだ21歳。今季は主にフューチャーズやシリウスで経験を積み、2軍の公式戦出場はわずか4試合だった。俊足を武器に、これから成長をみせたいところだったが、本人にとっても予想外の戦力外となった。トライアウトの受験も含め、今後は未定。

 高知時代に投手から捕手に転向した小山田は08年に育成ドラフト1巡目でヤクルト入り。父・健一氏(故人)もヤクルトの元捕手で親子2代のNPB選手となった。今季のヤクルトは相川亮二をFA補強し、新人の捕手も2名獲得したことから、2軍のポジション争いが激化。ファームの出番が限られ、入団前に1イニングに盗塁を3度阻止した強肩を生かす場がなかった。既に第一線を退くことを決めており、第2の人生を歩む。

<福岡、昨季ベストナインの荒川ら5選手が退団>

 福岡レッドワーブラーズは昨季、三塁手のベストナインに輝いた荒川大輔内野手ら5選手の退団を発表した。荒川に加え、大澤亮投手、瓜野純嗣捕手には球団が来季の契約を更新しない旨を通告した。

【退団】
福岡レッドワーブラーズ
<投手>
 大澤亮(3年目) 39試合 2勝2敗2S、防御率5.50
<捕手>
 瓜野純嗣(2年目) 17試合 打率.109、1本塁打、2打点
<内野手>
 清水康弘(2年目) 57試合 打率.259、2本塁打、22打点
 荒川大輔(2年目) 76試合 打率.299、2本塁打、27打点
<外野手>
 トモ(増田朋也、4年目) 61試合、打率.188、6本塁打、38打点
※成績は今季