来春開幕を目指して準備を進めている独立リーグ「ジャパン・フューチャーリーグ(JFL)」は、来季のリーグ運営について発表し、三重スリーアローズと、関西独立リーグを脱退した大阪ゴールドビリケーンズの2球団で発足することが決まった。両球団で24試合を行うほか、四国アイランドリーグの各球団と6試合ずつ(ホーム、ビジター各3試合)の交流戦を実施。阪神や中日2軍との交流試合も計画が進んでおり、年間で60試合以上の実戦を組む予定。またリーグの略称がサッカーのジャパンフットボールリーグと同一だと指摘されていたことから、名称も「ジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)」に変更する。
 リーグは当初、4球団での発足を目指していたが、淡路島を拠点とする新球団設立が難航し、来季からの参入を断念。残る1球団の立ち上げも進展がなかった。また選手給与も月額15万円、契約期間9カ月としていたが、他の独立リーグとの兼ね合いもあり、最低10万円と足並みをそろえた。

 リーグ側も認めているように、今回の新リーグは準備不足の感が否めない。構想が発表されたのは10月で、その時点ではまだ1球団しか実体がなかった。春の開幕までに野球チームとしての陣容を整えるだけならなんとかなるが、独立リーグでもっとも大切なのは球団を支える体制づくりだ。先行のリーグをみても1年目は地元に浸透しきれず、スポンサー営業や観客動員などで苦戦しているケースが目立つ。ここが後手後手に回ると、経費や人件費だけがかさみ、球団経営を圧迫する。

 リーグ側はアイランドリーグやNPBとの交流戦で実戦の機会を確保する予定だが、三重から四国、長崎まで試合のために移動すれば、その分、宿泊・交通費がかかる。もし実戦の機会を設けるなら、近場の関西独立リーグと試合をするほうが効率的だ。方針の違いから関西独立リーグと袂を分かったJFBLだが、同じ独立リーグ同士、呉越同舟で協力できるところはタッグを組んでもよいだろう。フューチャーリーグと名乗っている以上、まずは現実的な未来を考えることも大切である。

(石田洋之)