ラグビー・トップリーグのプレーオフトーナメントに出場する4チームの指揮官が12日、都内に集結して会見を行った。リーグ戦を1位通過した三洋電機ワイルドナイツの飯島均監督が、「今年のキャッチフレーズである“One life,One cut”の通り、この一戦にすべてをかける」と悲願の初優勝への意気込みを語れば、2年ぶりの王座奪還を目指すサントリーサンゴリアスの清宮克幸監督が、「昨夜のボクシングは素晴らしい試合だった。たぶんこの10年でベストマッチだったと思う。試合終了後のどよめきがいつまでも消えなかった。ラグビーでも会場のどよめきが消えないような素晴らしい試合をしたい」と11日にWBAスーパーフェザー級の新王者に輝いた内山高志戦(対ファン・カルロス・サルカド)を引き合いに出し、熱戦を誓った。
(写真:2週間後の決戦へ、まだ和やかなムードの4監督)
 上位4チームによるプレーオフ制が導入されて今回で4シーズン目を迎えた。リーグ発足後6シーズン、東芝とサントリーが分け合ってきたチャンピオンの座に、リーグ戦無敗と戦力充実の三洋が割り込めるかに注目が集まる。セミファイナルはレギュラーシーズン1位の三洋と同4位のトヨタ自動車ヴェルブリッツ、そしてサントリー(同2位)と連覇を狙う東芝ブレイブルーパス(リーグ3位)による“府中ダービー”の組み合わせとなった。

 2019年W杯の日本開催が決定後、今季は最初のシーズンにあたる。日本ラグビー協会は現在、「日本ラグビーを根本的に見直そう」(和田文男副会長)とさまざまな取り組みを進めており、それに呼応するように今季はリーグ戦91試合中31試合が7点差以内の接戦だった。とはいえ、総入場者数は30万7,974人と前年(34万9,880人)を下回る厳しい状況。今回のプレーオフも昨年までの冠スポンサーだったマイクロソフト社との契約が満了し、新たな協賛社がみつからないなど、不況のあおりを受けている。

 協会の和田副会長は打開策として「どこかのボタンを押せばすべてが変わるわけではない。結論としては競技場にたくさんのファンが来ていただけるよう、ありとあらゆる手段をとっていきたい」と、ファンの新規開拓が最優先であることを強調。「その意味でトップリーグの最高水準であるプレーオフトーナメントは大きな意義を持つ。日本のラグビーはトップリーグが引っ張っていることをファンに浸透させてほしい」と期待を寄せた。リーグ戦とは違い、トーナメントは一発勝負。会場のどよめきがいつまでも続くような激闘が繰り広げられそうだ。

<マイクロソフトカップ試合日程>

1月24日(日)14時 準決勝
 三洋電機ワイルドナイツ−トヨタ自動車ヴェルブリッツ(近鉄花園ラグビー場)
 サントリーサンゴリアス−東芝ブレイブルーパス(秩父宮ラグビー場)

1月31日(日)14時 決勝 (秩父宮ラグビー場)