13日、日本サッカー協会(JFA)は2月2日に行なわれるキリンチャレンンジ2010ベネズエラ戦に出場する日本代表25名を発表した。鹿島アントラーズ3連覇の立役者MF小笠原満男が06年ドイツW杯以来の代表復帰を果たし、1月6日に行なわれたAFCアジアカップ予選イエメン戦でハットトリックを達成した平山相太(F東京)らが招集された。ワールドカップイヤーとなる2010年、国内初戦は国内組のみでの戦いとなり、2月6日から開催される東アジア選手権まで代表4連戦が行なわれる。
(写真:ベネズエラ戦を「これまでの復習」と位置付けた岡田監督)
 ワールドカップイヤーの国内初戦に向け、待望論の大きかった小笠原が岡田JAPAN初招集となった。岡田武史監督は小笠原を常に気をかけていたとした上で、「存在感のある選手だけに、(代表に)呼んで外してという繰り返しができるような選手ではない。我々にとっても彼にとっても今回は重要な機会。W杯前に多くの人数を呼べるのは最後のチャンスとなる。彼を呼ぶタイミングはここしかないと考えていた」と、小笠原を招集した理由を説明した。

 2月2日ベネズエラ戦、2月6日からの東アジア選手権3試合ともに、FIFAの定めるインターナショナルマッチデーに指定されておらず、海外リーグに所属する選手の招集は不可能だ。国内組だけで構成せざるを得ない状況も小笠原の招集を後押しした。「海外組を除くと攻撃的MFは意外に層が薄い。若い選手も出てきてはいるが、頼って戦える選手は少ない。(鹿島のポジションの)ボランチよりも攻撃的な位置で期待している」と起用法についても言及した。

 さらに、先日のアジアカップ予選でハットトリックデビューを果たした平山や大分から名古屋へ移籍した金崎夢生など若手選手も招集されている。また、若手主体のイエメン遠征にインフルエンザで帯同できなかったDF村松大輔も代表メンバーに名を連ねた。

 平山について岡田監督は「この前の試合で3得点を挙げたことも大きいが、練習中も含め彼の意欲を非常に感じた。これまでの(FWの)メンバーに割って入ってくる可能性は十分にある」と期待の高さをうかがえるコメントを残した。

 国際Aマッチで15得点をあげた岡崎慎司(清水)も年初には代表の常連では決してなかった。平山、金崎ら勢いのある選手たちが代表で機能することで競争原理が大きく働く。そうなれば自ずとチーム力向上につながっていく。海外組の招集がない試合こそ、国内の若手には大きなチャンスだ。2月の4連戦で大きく株を上げる選手がそのまま南アフリカへの切符を掴んでもおかしくはない。ベネズエラ戦は相手うんぬんというよりも、選手間のサバイバルレースに注目が集まる。

(大山暁生)

<日本代表メンバー25人>

GK
楢崎正剛(名古屋グランパス)
川島永嗣(川崎フロンターレ)
西川周作(大分トリニータ)
DF
中澤佑二(横浜F・マリノス)
田中マルクス闘莉王(浦和レッズ)
駒野友一(ジュビロ磐田)
岩政大樹(鹿島アントラーズ)
今野泰幸(FC東京)
徳永悠平(FC東京)
長友佑都(FC東京)
内田篤人(鹿島アントラーズ)
村松大輔(湘南ベルマーレ)
MF
小笠原満男(鹿島アントラーズ)
遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
石川直宏(FC東京)
阿部勇樹(浦和レッズ)
大久保嘉人(ヴィッセル神戸)
金崎夢生(大分トリニータ)
香川真司(セレッソ大阪)
FW
玉田圭司(名古屋グランパス)
佐藤寿人(サンフレッチェ広島)
平山相太(FC東京)
岡崎慎司(清水エスパルス)
興梠慎三(鹿島アントラーズ)

<キリンチャレンジカップ2010>
◇2月2日(火)
日本代表 × ベネズエラ代表
九州石油ドーム(大分)

<東アジア選手権>
◇2月6日(土)
日本代表 × 中国代表
味の素スタジアム(横浜)

◇2月11日(祝・木)
日本代表 × 香港代表
国立競技場(東京)

◇2月14日(日)
日本代表 × 韓国代表
国立競技場(東京)