弊社は虎党が幅を利かせている。S女史もT.Sも、Y.Sもそうだ。カープが初めて出場を決めたクライマックスシリーズ(CS)の話になると、どうにも分が悪い。

 ひとり蚊帳の外に置かれているのがIである。「神宮つばメ~ル」の執筆者でもあるIは贔屓チームが最下位に終わったことで、CSの話の輪に加わることができない。

「まぁマエケンが投げたら阪神は打てないだろうな。今季の阪神戦の防御率は0.40だぜ」
「何言ってるんですか、カープは左に弱い。能見篤史が投げれば楽勝ですよ」

 パソコンのキーボードを叩きながらも、耳だけはしっかりと傾けているI、根がおしゃべり好きなだけに、蚊帳の外に置かれていることに我慢できなくなってきたようだ。

「まぁ僕の見解を述べさせてもらえば……」と前置きをして、誰も頼んでいないのにペチャクチャと持論をまくし立て始めた。

 そして、最後にいわく。「まぁ、ボク的には高みの見物ですけどね」

 最下位チームのファンに“上から目線”で能書きを垂れられたとあっては、虎党の名がすたる。S女史、すかさず、こう言い返したのであった。「それって、“下から目線”っていうんですかね」。痛いところを突かれたI、再びパソコンに向かってカチャカチャやり始めた秋の黄昏だった。

(編集長N)
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