ジャパンラグビートップリーグ2010−2011シーズンの開幕まで4日となった30日、全14チームの監督、キャプテンらが一同に都内に会し、来るシーズンへの意気込みを語った。リーグの真下昇チェアマンは「今年は2011年W杯への選考の場。重要なシーズンになる。W杯での2勝、決勝ラウンド進出へ実力あるチームづくりができるよう最高のパフォーマンスをみせてほしい」と、来年に迫ったニュージーランドでのW杯へ、選手たちにハイレベルな試合を期待した。
(写真:「W杯へ向けてモチベーションは高い」と語る東芝・廣瀬キャプテンら14チームの選手たち)
 2019年W杯の日本開催決定、2016年五輪での7人制ラグビー採用など、近年のラグビー界には追い風が吹いている。今年に入っても、日本代表がHSBCアジア5カ国対抗で優勝し、7大会連続のW杯出場を決めた。さらには6月のANZパシフィック・ネーションズカップではサモアを11年ぶりに破り、IRBランキングが12位に上昇した。

 この上げ潮ムードを確かなものにするためにも、来年のニュージーランドW杯での日本代表の活躍は欠かせない。冒頭の挨拶で日本ラグビー協会の森喜朗会長が「トップリーグが日本代表の大きな支えになり、このリーグが日本代表をつくりあげていく」と語ったように、その核となるのは言うまでもなくトップリーグだ。日本が目標に掲げているのは過去最高の2勝以上。グループリーグでは地元のニュージーランドをはじめ、フランス、トンガ、カナダと対戦する。

 8年目の開幕を迎えるトップリーグは今季、いずれも初昇格となるNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと豊田自動織機シャトルズが新たに加わった。昨シーズンは日本代表として活躍可能な外国人を入れるため、外国人の起用制限を設けていたが、今季は再び撤廃した。各チームはピッチでプレーする外国人を3人まで自由に使える。

 また「日本最高位のリーグとしてスポーツマンシップに乗っ取ったクリーンなゲームを」(真下チェアマン)との目的で全試合にサイティングコミッショナーが設置される。同コミッショナーは見逃された重い反則やラフプレーなどがなかったか、現場や録画を通じてチェックし、該当する行為があった場合は、試合終了後にリーグ事務局に報告できる。これに基づいて表彰懲罰小委員会にジュディシャルオフィサーが出席し、懲罰を科すかどうか判断を行う。試合中のレフェリーの判断のみならず、追加でも処分を下せるシステムにしたことで、不正行為撲滅を徹底する。

 この日は7月にJリーグチェアマンに就任した大東和美チェアマンも出席。ラグビー元日本代表でもある大東チェアマンは6月のサッカー南アフリカW杯で日本代表がベスト16入りしたことに触れ、「代表が強くなるために、サッカーではJリーグ、ラグビーではトップリーグの活性化が重要」と、同じ“フットボール”同士、共存共栄を誓い合った。開幕の第1節は昨季王者の東芝ブレイブルーパスと、日本選手権を制した三洋電機ワイルドナイツがいきなり激突。昇格組の直接対決・豊田自動織機−NTTコミュニケーションズ戦、九州ダービーとなるコカ・コーラウエストレッドスパークス−福岡サニックスブルース戦など、シーズンのスタートにふさわしい好カードがそろった。
(写真:記念撮影するトップリーグ真下チェアマン(左)とJリーグ大東チェアマン)

 リーグ戦は9月3日(金)の東芝−三洋電機戦を皮切りに、初開催となる富山、沖縄も含めた37会場で全91試合を実施。プレーオフも含めた全試合で、昨年を約5万1000人上回る40万人の観客動員を目標に掲げている。上位4チームがトーナメント方式で争うプレーオフは今季からセミファイナルが2日間に分けられ、1月22日(土)と23日(日)に実施。1月30日(日)のファイナルで優勝チームが決定する。

<トップリーグ2010-2011開幕カード>

9月3日(金)
 東芝ブレイブルーパス×三洋電機ワイルドナイツ (東京・秩父宮、19:30)
9月4日(土)
 豊田自動織機シャトルズ×NTTコミュニケーションズシャイニングアークス (愛知・豊田、17:00)
 トヨタ自動車ヴェルブリッツ×サントリー・サンゴリアス (愛知・豊田、19:00)
 近鉄ライナーズ×リコーブラックラムズ (大阪・長居、17:00)
 神戸製鋼コベルコスティーラーズ×クボタスピアーズ (大阪・長居、19:00)
 ヤマハ発動機ジュビロ×NECグリーンロケッツ (静岡・ヤマハ、18:00)
 コカ・コーラウエストレッドスパークス×福岡サニックスブルース  (福岡・レベスタ、19:00)