柔道の世界選手権は13日、東京・国立代々木競技場第一体育館で最終日を迎え、男女の無差別級をいずれも日本勢が制して閉幕した。男子では初出場の上川大樹(明大)が、決勝で100キロ超級3連覇を果たしたテディ・リネール(フランス)と激突。延長の末、旗判定できわどい勝負をモノにし、金メダルに輝いた。女子は初日に78キロ超級を制した杉本美香(コマツ)が、決勝で秦茜(中国)と対戦。78キロ超級決勝と同じ顔合わせとなった一戦は、杉本が中盤に一本背負いで有効を奪い、優勢勝ちをおさめた。杉本は2階級制覇となり、同一大会では日本女子史上初の快挙を達成した。
 さらに男子では鈴木桂治(国士大教)が準決勝で優勝した上川に敗れたものの、3位決定戦で一本勝ちを収め、銅メダル。立山広喜(日本中央競馬会)も敗者復活戦を勝ち上がって3位に入った。女子も初出場の田知本愛(東海大)が、敗者復活戦を制して銅メダルを獲得した。

 前回のオランダ・ロッテルダム大会では男子が史上初の金メダル0個に終わるなど、低迷した日本勢だったが、今大会は地元開催の追い風もあって一気に復調。金メダルは男女合わせて10個を数え、過去最多だった1999年英国・バーミンガム大会の8個を更新した。また今回より各階級に同一国・地域から2名(無差別級は4名)まで出場が可能になったこともあり、メダル総数も大幅に増加。金10、銀4、銅9の計23個は、こちらも過去最多となった。

【日本勢結果】

◇男子無差別級
<2回戦>
〇高橋和彦(新日鉄) 優勢 ×M.Khadbaatar(モンゴル)
〇立山広喜(日本中央競馬会) 17秒 一本 ×D.ディディエ(オーストラリア)
〇鈴木桂治(国士大教) 3分16秒 一本 ×S.W.キム(韓国)
〇上川大樹(明治大) 15秒 一本 ×T.ヨンソン(アイスランド)

<3回戦>
〇高橋和彦 3分27秒 一本 ×A.Mskhaladze(グルジア)
〇立山広喜 2分28秒 一本 ×O.デスパイン(キューバ)
〇鈴木桂治 1分47秒 一本 ×A.オクルアシュヴィリ(グルジア)
〇上川大樹 4分54秒 一本 ×A.トールザー(ドイツ)

<4回戦>
〇高橋和彦 2分30秒 一本 ×M.R.RODAKI(イラン)
〇立山広喜 優勢 ×P.ビアンケシ(イタリア)
〇鈴木桂治 2分6秒 一本 ×O.ブライソン(キューバ)
〇上川大樹 3分57秒 一本 ×H-T.ファン(韓国)

<準々決勝>
〇T.リネール(フランス) 2分34秒 一本 ×高橋和彦
〇立山広喜 2分40秒 一本 ×R.サイドフ(ウズベキスタン)
〇鈴木桂治 1分36秒 一本 ×H.ワン(中国)
〇上川大樹 優勢 ×A.タングリエフ(ウズベキスタン)

<敗者復活戦>
〇R.サイドフ 3分36秒 一本 ×高橋和彦

<準決勝>
〇T.リネール 優勢 ×立山広喜
〇上川大樹 2分18秒 一本 ×鈴木桂治

<3位決定戦>
〇立山広喜 延長 優勢 ×A.タングリエフ
〇鈴木桂治 4分16秒 一本 ×R.サイドフ

<決勝>
〇上川大樹 延長 優勢 ×T.リネール

◇女子無差別級
<2回戦>
〇緒方亜香里(筑波大) 延長 優勢 ×N.Chikhrouhou(チュニジア)
〇L.Purevjargal(モンゴル) 4分54秒 一本 ×佐藤瑠香(コマツ)
〇杉本美香(コマツ) 優勢 ×S.ユウ(中国)
〇田知本愛(東海大) 不戦勝 ×H.リュウ(中国)

<3回戦>
〇T.ドングサシヴィリ(ロシア) 44秒 一本 ×緒方亜香里
〇杉本美香 延長 優勢 ×I.オルティス(キューバ)
〇田知本愛 延長 一本 ×C.Uilenhoed(オランダ)

<準々決勝>
〇杉本美香 4分17秒 ×T.ドリゴトフ(モンゴル)
〇C.ルブラン(フランス) 4分38秒 一本 ×田知本愛

<敗者復活戦>
〇田知本愛 3分9秒 一本 ×T.ドルジゴトブ(モンゴル)

<準決勝>
〇杉本美香 延長 優勢 ×C.ルブラン

<3位決定戦>
〇田知本愛 延長 優勢 ×N-Y.キム(韓国)

<決勝>
〇杉本美香 優勢 ×Q.キン(中国)