当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が10月31日(日)、22:00より放送されます。この番組では毎回、各競技から一流たちをお招きし、トップを極めた技術と、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は南アフリカW杯で決勝トーナメント進出の立役者となった日本代表遠藤保仁選手をお招きします。
 当サイトでは番組に先駆けて、遠藤選手とのインタビューの一部を紹介します。

二宮: 南アフリカW杯では日本代表が決勝トーナメントに進出しました。国外大会では初めての快挙です。遠藤選手は全試合に出場して活躍されましたが、とりわけ印象に残っているのはデンマーク戦でのフリーキックです。あの位置は遠藤選手からすれば一番得意なところですよね。
遠藤: はい、距離は一番狙いやすいところでした。大会に入ってから、それまで一本もフリーキックを蹴っていなかったので、蹴りたいなという思いがありましたし、あの位置からなので自信を持って蹴ることができました。

二宮: ゴールは見えていた?
遠藤: シュートのイメージはできていました。一番端の選手の斜め上あたりを狙えばいいコースに行くなと思っていたので。ちょうど、狙いやすい目安のようなものがあったので。あの時は本当にリラックスして蹴れましたね。

二宮: あのフリーキックは10本蹴ったら何本くらい入りますか?
遠藤: 10本に1本くらいじゃないですか(笑)。デンマークは壁の選手もゴールキーパーも身長が高かったですから。少しでもコースが甘くなると取られてしまうと思います。実は、南アフリカでの練習ではそんなに決まっていなかったので、10本蹴って1本とは言わなくても、2本入れば上出来かな。

二宮: その1本か2本があの場面で出ることが素晴らしい。遠藤さんのこれまでのサッカー人生の賜物だと感じました。これまで色々なご苦労もあったでしょうから。
遠藤: そうですね。4年前のドイツ大会でも悔しい思いをしましたし、その前にもいっぱい悔しい思いをしてきました。それでも、最高の舞台で最高のパフォーマンスができるように、いい結果を出せるようにと常に思い浮かべながらプレーしてきたので。あのフリーキックだけではないですけど、僕にとっては一生忘れられない試合になりましたね。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 遠藤選手は南アフリカW杯で岡田ジャパンの躍進を支え、アルベルト・ザッケローニ新監督の下でも中盤の要として招集されています。先日行われた韓国戦では、史上4人目となる日本代表100試合出場を達成しました。小野伸二選手、稲本潤一選手らと同年代、いわゆる『黄金世代』と呼ばれた選手の一人だった遠藤選手。しかし、彼が歩んできた道は決して華やかなものではありませんでした。様々な挫折や困難を乗り越えての快挙達成。これまでのサッカー人生の歩みを番組内で振り返っていただきました。

 遠藤選手の生まれは鹿児島県桜島。自然に翻弄される土地で3人兄弟の末っ子として生を受け、物心ついた時には兄たちに混じってサッカーに明け暮れていました。今でも「憧れの選手は兄」と口にするほど、2人の兄は遠藤選手にとって特別な存在です。

 遠藤選手は独特の考えを持つ選手といえるでしょう。「ハーフタイムの短い時間でも必ず入浴する」「スパイクにこだわりはない」「ワンテンポ遅らせてプレーする」などユニークな発想を持つ彼だからこそ、他の選手とは違うサッカーを表現してくれます。遠藤選手のプレーの中でも代名詞となっているのは「コロコロPK」です。ゴールキーパーの動きを見極めて放たれる究極のキックのコツとは? 遠藤選手の口からサッカー少年に向けた思わぬ助言が飛び出します。

 さらに、日本が世界を相手に戦うために必要なものについても、遠藤選手は独自の考えを披露します。「海外に選手が出て行くだけでは足りない。サッカー関係者がもっと多くのことを学び取らなければいけない」。その先に飛び出した衝撃発言、「本当は、今すぐにでも指導者になりたいんです」。この言葉の真意とは? 遠藤選手のサッカー哲学が詰まった濃密な55分間をお楽しみください。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースでお届けしています。どうぞお楽しみに!

↓番組HPは下のバナーをクリック!↓