9日、女子バレーボール世界選手権2次ラウンド第3戦が行われ、日本は韓国と対戦した。激しい競り合いとなった第1セットを奪った日本が、その余勢を駆って第2、第3セットは大差をつけてストレート勝ち。これで28年ぶりに4強入りした日本は準決勝進出を決めた。

日本 3−0 韓国
(25−22、25−17、25−19)
 勝てば、準決勝進出が決定する大事な一戦となったこの試合、第1セットは序盤から一進一退の攻防戦が繰り広げられた。日本はWS江畑幸子のスパイク、さらにWS山口舞の変則的なブロード攻撃などで着実に得点を積み上げていった。 特に江畑はこの日も絶好調だった。試合後、真鍋政義監督が「江畑のスパイク効果率が40%になっていてビックリした」と驚きの声を上げたほど、江畑のスパイクはキレていた。

 一方の韓国はエースのWSキム・ヨンギョンが序盤こそバックアタックを立て続けにミスする場面も見受けられたものの、試合が進むにつれて本領を発揮。角度のあるスパイクを次々と決めた。ライバル対決にふさわしく、何度もラリーが続く大接戦を制したのは日本だった。22−22から木村がレフトからブロックの間を抜ける技ありのスパイクを決めると、負けじと韓国もエースにボールを上げる。しかし、ここまで第2位のスコアをマークしているキム・ヨンギョンがまたもバックアタックを外し、日本がセットポイントを迎えた。そして最後を決めたのはやはり木村。レフトから強烈なスパイクを放ち、日本が第1セットを奪った。

 第2セットは韓国にミスが続き、日本のワンサイドゲームとなった。MB井上香織、S竹下佳江、木村らのサーブが韓国の守備を崩し、16−8とダブルスコアとした。韓国も終盤には粘りを見せる。24−15と日本がセットポイントを迎えた場面、キム・ヨンギョンのスパイクで連続ポイントを奪う。しかし、時すでに遅し。日本は江畑が負けじと力強いスパイクをレフトから決め、第1セットに続いて連取した。

 日本の勢いは第3セットになってもとどまることはなかった。江畑のスパイクでリードを奪うと、守備が崩れた場面でもエース木村が体勢を崩しながらスパイクを決めた。一方の韓国はエースのキム・ヨンギョンに頼らざるを得なかった。なんとかチームの期待に応えようとキム・ヨンギョンは孤軍奮闘する。しかし、粘り強く守る日本からなかなか連続ポイントを奪うことができない。日本は波に乗る江畑を中心に安定した攻撃で得点を重ね、最後はMB山本愛の速いブロードがブロックアウトとなり、日本が韓国にストレート勝ち。明日のロシアとの試合を残し、準決勝進出を決めた。

 28年ぶりの4強入りを果たした日本だが、「勝ててよかったが、目標はメダル。ここからが勝負」(木村)「素直に嬉しいが、明日はロシア戦、その後も試合は続く。しっかりと戦える準備をしていきたい」(竹下)と既に選手たちは次を見据えていた。
「ロシアは高さがある。日本が勝つにはブロック、ディフェンスをどれだけ上げていくかにつきる」と真鍋監督。ここまで6戦全勝し、前回に続いての連覇を狙う強豪に土をつけ、準決勝への弾みとしたいところ。メダルへの可能性も明日の試合が試金石となりそうだ。