転職総合サイト「DODA」では、スポーツを通してビジネスを語る連載コラム「二宮清純のビジネス×アスリート論」を好評連載中。スポーツの観点から取り上げられたエピソードをもとに、ビジネスマンとしての心得や転職活動の方法について、二宮清純が語ります。激しい競争世界で生き抜いてきたアスリートたちから学ぶことは多いはず。二宮清純がこれまでの取材で得た彼らの思考法、成功例をビジネスにあてはめて紹介します!
CHAPTER1.和田一浩を育てた落合理論

 人を育てるのは人である。人は機械をつくることはできるが、機械が人を育てることはできない。
 そうであれば、よき先輩との出会いは自らを成長させる最大のチャンスであると肝に銘じるべきだ。実力もないうちから「オレにはオレのやり方がある」と自惚れたり、意固地になってはいけない。それは成長の妨げになるものだと日頃から自戒しておこう。
 今季、4年ぶりのリーグ優勝を果たした落合中日。落合博満監督は7シーズンに渡って指揮を執り、Bクラスは一度もないのだから名監督と言っていいだろう。
 三冠王三度は史上最多。打撃理論は他の追随を許さない。

 今季、打率3割3分9厘、37本塁打、93打点をあげ、中日のリーグ優勝に貢献した和田一浩も落合信者のひとり。試合前のグラウンドでは二人っきりで話し込むシーンが何度も見られた。
「落合さんと出会って、もう1ランク上の野球があることを知りました」
和田はこう言い、続けた。
「西武時代にバッティングの基礎については身に付けていたと思っていたんですが、落合さんには体の使い方、仕組みを含め、もっと踏み込んだ部分について教えてもらった。そのことが去年あたりから、やっとわかるようになった。言葉にするのは難しいんですが、楽にボールが飛ぶようになったんです。“あっ!こんなにも飛ぶんだ”って。今までとは違った感覚ですね」
 落合から打撃の極意を授かった和田は38歳になった今もなお成長を続けている。




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