ラグビー日本選手権決勝が27日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、サントリーサンゴリアスが三洋電機ワイルドナイツを37−20で破り、9シーズンぶり4回目の優勝を収めた。サントリーはトップリーグのプレーオフ決勝で三洋に敗れて優勝を逃したが、その雪辱を果たした。三洋は新日鐵釜石、神戸製鋼に続く史上3チーム目の4連覇を逃した。
 今季のラグビーシーズンを締めくくるに相応しい見ごたえのあるゲームだった。
 先制したのは三洋だった。前半5分、FB田邉淳のペナルティーゴールで3点を先取する。その後も三洋が攻撃を仕掛けるが、11分にカウンターからサントリーが逆襲。WTB小野澤宏時が中央へトライを決める。その後のキックも決まって7−3と逆転に成功した。

 だが、三洋も直後にペナルティゴールで1点差に詰めよれば、サントリーもCTBライアン・ニコラスがゴールを決め、リードを広げる。トップリーグのプレーオフでも相見えた両チームだけに、攻守の切り替わりが激しい試合となった。ただ、サントリーは33分に密集から右へ展開すると、一番外を抜けたWTB長友泰憲がトライ。その4分後にも右サイドでのスクラムから中央へボールを素早く供給し、SOトゥシ・ピシがインゴールへ飛び込んだ。これで24−6。サントリーが点差をつけて試合を折り返す。

 しかし、3連覇中の三洋は昨年の日本選手権でも12点差を逆転している。プレーオフ決勝でもサントリー相手に後半、試合をひっくり返した。この試合も後半11分、No.8のホラニ龍コリニアシがトライをあげ、反撃を開始。逆転劇の再現なるか、目が離せない試合になった。

 それでもサントリーにはプレーオフ決勝で逆転負けした悔しさがあった。16分、ラインアウトから狭い右サイドへボールを送ると、ライン際を駆けだしたのはHOの青木佑輔だ。三洋守備陣のスキをうまく突き、トライをあげ、再び相手を突き放す。

 その後も三洋にワントライを返されたが、25分には長友がこの日2つ目のトライ。最後は36分に途中出場のTBピーター・ヒューワットがペナルティゴールを決め、とどめを刺した。サントリーはこの日、最後まで選手たちの運動量が落ちず、5トライで三洋を圧倒。就任1年目のエディ・ジョーンズ監督が掲げた攻撃ラグビーが最後に花開いた。