IOC(国際オリンピック委員会)は6日、南アフリカ・ダーバンで総会を開催し、2018年冬季オリンピックの開催都市を韓国の平昌(ピョンチャン)に決定した。今回の冬季五輪招致には史上初の夏冬開催を目指したミュンヘン(ドイツ)、アルプス山脈に位置するアヌシー(フランス)の3都市が立候補。平昌はIOC委員95名による1回目の投票で過半数を大きく超える63票を得た。冬季五輪がアジアで開催されるのは、札幌(1972年)、長野(1998年)に次ぎ、3回目。韓国は1988年にソウルで夏季五輪を実施している。
 平昌にとって招致は“3度目の正直”。2010年冬季五輪の開催地選考ではバンクーバー(カナダ)、2014年五輪ではソチ(ロシア)にいずれも決戦投票で敗れていた。今回は既にスキーのジャンプ台など予定会場の半数が完成。国の厚いバックアップもあり、高い評価を得た。最終プレゼンテーションには李明博大統領、バンクーバー五輪女子フィギュアスケート金メダリストのキム・ヨナが参加した。2016年の夏季五輪開催地、リオデジャネイロ(ブラジル)も3度目の挑戦で悲願を達成しており、招致には長期的な活動が必要な点も浮き彫りになった。

 2020年夏季五輪には東京が再び立候補する意向を示している。IOCのジャック・ロゲ会長は冬季の開催地が夏季には影響を与えないとの考えだが、同じ東アジアでの2年後の五輪となり、よほどのアピールポイントがなければ委員の心はつかめない。少なくとも東京にとっては招致のハードルが高くなったことは確かだ。