ラグビーW杯ニュージーランド大会が開幕し、1次リーグA組の日本(IRBランキング13位)は10日、フランス(同4位)との初戦を迎えた。日本は立ち上がりから強豪相手にトライを許し、主導権を握られる。しかし、前半31分にSOジェームス・アレジがトライを決めて反撃を開始すると、後半も1トライ1ゴールを返して、一時は4点差に詰め寄った。だが、終盤に再び突き放され、21−47で敗れた。

 アレジ、2トライの活躍も実らず(オークランド)
フランス代表 47−21 日本代表
 ジャパンスタイルが世界に充分通用することを示した試合だった。
「接戦に持ち込みたい」
 戦前からジョン・カーワンヘッドコーチはそう明かしていた。だが、立ち上がりはフランスに圧倒される。

 日本は低いタックルで相手の出足を止めようとしたものの止めきれない。前半4分、密集からパスをつながれて先制トライを許す。反撃したい日本は10分に反則でPGを得るが、キッカーのアレジが外して流れをつかめなかった。
 
 すると、直後にパスをインターセプトされ、この日、2つ目のトライを奪われる。17分にはPGで3点を返したが、フランスにもPGを2本決められ、3−20と劣勢は変わらなかった。ただ、日本は速いパス回しで、相手陣内で切り込む場面が増えてくる。

 そして前半20分、待望のトライが生まれた。ゴール前でのラインアウトからモールを形成し、アレジが前方へキック。このボールが相手選手に当たって跳ね返り、再びアレジの下へ。ぽっかりと前方が空いたところを飛び込んだ。アレジにとっては母国での活躍で日本が反撃ののろしを上げる。前半はさらにフランスに1トライを追加されたが、日本もPGで得点を返し、11−25で折り返した。

 そして後半、日本は粘り強い戦いをみせる。相手の猛攻でインゴールに持ち込まれても数人がかりで抑え込み、相手選手にボールをグラウンドにタッチさせない。トライかどうか2度のテレビ判定が入るほど防戦一方の時間帯を無失点でしのぐと、8分には再びアレジが中央へトライ。さらに16分、オフサイドの反則に乗じてPGを決め、ついに21−25。4点差に詰め寄った。ワントライでも逆転できる接戦に会場内ではジャパンコールが繰り返され、番狂わせの雰囲気も漂ってくる。
 
 だが、ここから先は世界の壁を感じる時間帯でもあった。日本はその後のチャンスを逃すと後半26分にはPGを決められ、点差を広げられる。さらに31分には右に展開され、守る小野澤宏時が吹き飛ばされるほどの強烈な突破でトライを許した。その後も試合終了までに2つのトライを奪われ、最終的には26点差の敗戦となった。

 次戦は16日にランキング1位の地元ニュージーランドと対戦する。