ラグビーW杯ニュージーランド大会は16日、1次リーグA組の日本(IRBランキング13位)が第2戦を迎え、ニュージーランド(同1位)と対戦した。日本は立ち上がりから世界最強のオールブラッグスに次々とトライを奪われ、大差をつけられる。後半18分、WTB小野澤宏時がトライをあげて一矢を報いたものの、最終的にはニュージーランドに13トライを許し、大敗を喫した。

 小野澤、代表最多のW杯10戦出場(ハミルトン)
ニュージーランド代表 83−7 日本代表
 速い、うまい、強い。世界のトップクラスのラグビーを見せつけられた80分だった。

 日本にとっては敗戦覚悟で臨んだ試合だ。フランス戦で2トライをあげたSOジェームス・アレジら主力を温存。ニュージーランドも司令塔のSOダン・カーター、主将のFLリッチー・マコウを外し、お互いに先を見据えた戦いになった。

 それだけに問われたのは結果よりも内容だ。1995年W杯での歴史的大敗(17−145)から16年、世界最強の相手にどのくらいジャパンスタイルを貫けるかがポイントだった。

 だが、立ち上がりからピッチを躍動したのは黒い軍団だった。4分、ボールを次々とつないで、日本の守りの隙間を突く。最後はCTBコンラッド・スミスにトライを決められ、あっさりと先制を許した。

 日本は低いタックルでオールブラッグスの出足を止めようと試みるものの、速いパスまわしと力強い突進になすすべがない。6トライを決められ、攻撃でもチャンスらしいチャンスをつくれないまま、0−38で試合を折り返した。

 後半に入ると、ニュージーランドはさらに猛攻をしかける。疲れから動きが鈍った日本の選手たちをあざ笑うかのように空いたスペースをボールを出し、簡単にラインを突破する。その視野の広さ、状況判断やプレーの正確さは、世界ランキング1位にふさわしいものだった。

 ただ、0−59と大量リードを許した後半18分、ようやく一矢を報いる。小野澤が相手のパスをインターセプト。一気に抜け出し、ピッチを独走する。40メートルを走りきって左中間に飛び込むトライ。日本代表最多となるW杯10試合目の出場を果たしたベテランが意地をみせた。

 その後、日本は相手陣内でプレーする時間も増えるが、肝心なところでミスもあり、さらなる追加点をあげられない。試合終了間際には逆に2トライを立て続けに決められ、力尽きた。

 2連敗となった日本だが、格上と戦ったここまでの結果は想定の範囲内とも言える。次戦(21日)の相手はランキング12位のトンガ。目標の2勝を達成するための本当の勝負がここから始まる。