ラグビーW杯ニュージーランド大会は21日、1次リーグA組の日本(IRBランキング13位)が第3戦を迎え、トンガ(同12位)と対戦した。日本は立ち上がりからミスが目立ち、相手の圧力にも屈して試合の主導権を奪われる。後半も反則からトンガに得点を追加されて突き放され、W杯20年ぶりの勝利はお預けになった。これで日本は3連敗となり、勝ち点は0のまま。第1回大会から7大会連続の1次リーグ敗退が決まった。

 「2勝」の目標達成ならず(ファンガレイ)
トンガ代表 31−18 日本代表
「W杯のファイナルと思って戦う」
 試合前、ジョン・カーワンヘッドコーチは、この一戦をそう重要視していた。トンガはランキングでは1つ上とはいえ、このところ5連勝中。7月のパシフィックネーションズカップでも接戦を制している。目標の2勝へ絶対に勝たなくてはならない戦い――。しかし、その強い思いは脆くも砕かれた。

 日本は立ち上がりから攻勢をみせるが、相手の力強いタックルに遭い、出足を封じられる。逆に自陣でのスクラムから押し込まれ、右サイドを破られてインゴールへの侵入を許した。前半4分の場面こそ、WTB小野澤宏時がうまく下に入ってボールをグラウンディングさせなかったものの、7分には同様の形でトライを奪われ、5点を先行される。

 ただ、日本はすぐさま反撃をみせる。14分に相手陣内でのラインアウトから左サイドを攻め、密集の中からPR畠山健介が強引に押し込んでトライ。5−5の同点に追いついた。
 
 ところが、肝心なところで痛恨のミスが出る。直後のキックオフを捕り損ね、相手ボールにしてしまうと、そのままつながれて勝ち越しトライ。その後もパスミスでカウンターアタックを受けるなど、日本は流れをつかめない。26分にはFLマイケル・リーチがトライをあげて2点差に詰め寄ったものの、相手の激しいプレスに反則が続出する。そこをPGで確実に得点を重ねられ、13−18で試合を折り返した。

 パワーで勝るトンガに対し、スピードで上回りたい日本だが、後半に入っても持ち味は出せなかった。トンガの猛攻に防戦一方となり、自陣で反則を犯してPGでリードを広げられる。後半13分にはパスミスで相手ボールのラインアウトになると、そこからの突破にディフェンスがなぎ倒され、致命的なトライを決められた。
 
 それでも後半21分、相手選手のシンビン(一時退場)により、日本は数的優位に立つ。一気に劣勢を挽回する好機も、あげた得点は23分のトライによる5点のみ。逆に26分には自陣のスクラムで痛恨の反則をとられ、PGで3点を追加された。結局、終わってみれば18−31。もう1トライ1ゴールをあげていれば、ボーナスポイント(4トライ以上)と合わせて勝ち点2を得られるところだったが、それも叶わなかった。

「ブレイクダウンで負け、そしてターンオーバーができず、ジャパンのリズムが作れなかったことが敗因」
 カーワンHCは、そう試合を振り返った。カーワン体制で5年間培ってきた速いジャパンスタイルでも世界にはやっぱり勝てないのか。最終のカナダ戦(27日)は、まさに日本のラグビー界の今後を左右する戦いと言っても過言ではない。