2012年ロンドンパラリンピックを目指し、日々過酷なトレーニングを行なっている日本人選手たちの今に迫る「The Road to LONDON」。今回はスプリンター春田純。3年前の北京大会でパラリンピックに魅せられた春田選手が今、どのような毎日を過ごしているのか。彼の日常を追いました。

「11秒台」――。これまで日本人義足ランナーには手の届かなかった夢の記録。その記録に初めて到達したのが春田純(男子100メートル・片下腿切断)だ。今年5月に開催された大分陸上で、自己記録を0秒19上回る11秒95をマーク。両手を挙げてガッツポーズする春田に周囲から大きな拍手が送られた。33歳にして日本障害者陸上界に新たな歴史を刻んだ春田。果たしてどんな日々を送っているのか。彼の日常を追った。

 春田はプロアスリートではない。普段は静岡市清水区内の建設関連会社に勤めるサラリーマンだ。主な業務内容は公共施設の水道工事に関する書類作成や現場監督。工期の遅れや工程ミスは決して許されない。今年で17年目の春田にかかる責任は大きい。

 パラリンピックまであと1年に迫った現在は、勤務時間などを考慮してもらいながら、日々のトレーニングや30〜40日は必要とされる遠征などを行なっている。春田が長期不在の場合は、周囲が手分けをしてカバーをしてくれるという。彼の並々ならぬパラリンピックへの思いを理解し、応援してくれている何よりの証だ。

「僕にとっては最高の環境」と春田は言う。無論、日本の障害者スポーツの環境を考えれば、確かに恵まれていると言っていいだろう。だが、競技生活を続けるには年間150〜200万円の費用がかかる。生活は決して楽ではないはずだ。しかし、そのことを彼はマイナスには捉えていない。
「厳しさが自分にとってはいいプレッシャーとなっている」
 このプラス思考こそが春田純をアスリートにさせているのだ。

つづきはこちらから!

 
※「The Road to LONDON」はNPO法人STANDとの共同企画です。