5日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第2戦、日本は世界ランキング20位、2大会ぶりの出場となったアルゼンチンと対戦。WS新鍋理沙、MB岩坂名奈の21歳コンビが指揮官の期待通りの活躍を披露すると、エースのWS木村沙織にも復調の兆しが見られ、ストレートでの快勝を収めた。これで対戦成績を1勝1敗とした。

日本 3− 0 アルゼンチン
(25−19、25−11、25−20)
 前日の第1戦、4連勝中だったイタリアに完敗し、前回覇者の意地を見せられた日本。しかし、その中でも新鍋というニューヒロインの登場に会場中が沸いた。そしてその新鍋と同じ21歳の岩坂が、この試合では初スタメンを飾り、もう一人のヒロインとなった。さらに、エースの木村も当たり始めた。前日、41%だったスパイク決定率は、この試合では65%と高い確率をマーク。エースの活躍に観客からは何度も歓声が上がった。

 第1セット、まずは2試合連続でスタメンに入った新鍋がレフトからのクロススパイクを決め、チーム初得点を挙げる。すると、続いて岩坂がクイックを決める。これに負けじと、今度はWS江畑幸子も続いた。日本はこの若手3人だけで7点を奪い、5点をリードする。中盤には江畑、新鍋のサイド陣が連続でアルゼンチンの高い壁につかまるシーンもあったが、この試合の日本は攻守ともに安定していた。MB荒木絵里香のクイック、木村のレフト、ライトからのスパイク、さらに途中出場のWS石田瑞穂がブロックを決めるなど、次々と得点を重ねる。24−17とセットポイントを迎えてからは岩坂のサーブ、石田のスパイクにミスが出て2連続ポイントを奪われたが、最後は新鍋がライトからのスパイクをストレートコースにきっちりと決めて、日本が先取する。

 続く第2セット、187センチとチーム一長身の期待の大型センター岩坂のブロックで先制した日本。4−3からは荒木のブロード攻撃、新鍋のサービスポイント、江畑のレフトからのスパイクが次々と決まり、8連続ポイントを奪った。途中、アルゼンチンのスパイクを身長159センチのS竹下佳江が2本連続でブロックし、そのこぼれ球を木村が決めた場面では、会場からどよめきが起きた。本人も驚いた様子を見せたが、竹下の勝利への執念が伝わるプレーだった。終盤に入っても攻撃の手を緩めない日本は大量リードを奪ったままセットポイントを迎える。最後は前日にはチームで唯一出番がなかったWS迫田さおりがチーム一と言われるバックアタックを決め、14点差でこのセットを取る。

 第3セットはエース木村が奮起した。まずはレフトからワンタッチのスパイクで先制すると、サーブでもポイントを奪う。2本目のサーブはラインを割り、相手に得点を許すも、今度はバックアタックを決める。すると、相手にミスが続き、日本は5−1とリードした。だが、後がないアルゼンチンに途中、粘られる。10−8からサーブレシーブの崩れから相手に得点されたり、木村のスパイクがブロックにかかるなどして、4連続失点を喫し、逆転を許した。しかし、ここから五輪経験者が落ち着いたプレーで追い上げを図る。L佐野優子が見事なレシーブで上げたボールを荒木、木村がきっちりと決めて再逆転すると、そのままリードを守り、このセットも奪った。

 前日の雪辱を果たすかのように鮮やかなストレート勝ちを収めた日本。明日の第3戦ではアジア覇者の中国と対戦。今度はアジア選手権での借りを返し、ロンドンにまた一歩、近づきたい。