21日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第2戦で世界ランキング18位の日本は、同9位アルゼンチンと対戦。セットカウント1−1と並び、第3セットは14点差と攻守にわたって圧倒した日本だったが、結局フルセットの末に敗れ、初勝利を挙げることができなかった。

日本 2−3 アルゼンチン
(22−25、25−21、25−11、15−25、12−15)
 前日のイラン戦に敗れ、黒星スタートとなった日本は今日こそ初勝利を挙げようと、世界最速コンビバレーのアルゼンチンに対し、序盤、パワーバレーを炸裂。WS清水邦広のパワフルなジャンプサーブで守備を崩し、チャンスボールを清水、さらに今大会初のスタメン起用されたWS八子大輔が次々と強打をアルゼンチンコートに叩きつけた。しかし、中盤からアルゼンチンは本来の高速バレーでリズムに乗り、逆転する。逆に日本は八子に攻守にわたってミスが続く。その八子は守備のいいWS米山裕太と交代し、ベンチに下がった。その後はWS福澤達哉が奮起し、日本もなんとか食らいつくも、あと一歩及ばず、このセットを落とした。

 第2セット、スタートから起用された米山が爆発する。意表をつくフェイントを見せたかと思うと、強烈なスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、緩急のつかった攻撃で次々とポイントを奪っていった。これに福澤、さらにはMB山村宏太、MB松本慶彦のセンター線も前日に続いて、ほぼ完璧なクイック攻撃を見せた。終盤には清水、松本がアルゼンチンの高い壁に阻まれる場面もあったが、日本は逆転を許すことなく、福澤のスパイクでセットポイントを迎えると、その福澤が最後もきっちりと決めてセットカウント1−1と並んだ。

 第3セットも米山が攻撃のリズムをつくった。レフトから速い攻撃を見せると、相手のフェイント攻撃に対してブロックポイントを奪う。この米山の活躍などで日本は4連続ポイントを奪い、5−2とリードする。さらに中盤には清水がレフト、ライト、さらにはバックからパワフルなスパイクを決める。一方、アルゼンチンはミスを連発。途中、主力を外し、なんとかリズムを変えようとするも、攻守ともに日本の勢いに押され、全く自分たちのバレーをすることができない。日本は20−11から相手のミスもあり、怒涛の5連続ポイントを奪って、第2セットに続いて連取した。

 続く第4セット、アルゼンチンが息を吹き返した。日本は清水がブロックで止められると、さらに福澤、米山のスパイクも続けてアルゼンチンの壁に阻まれた。これでリズムを崩した日本。清水がサーブ、バックアタックと連続でミスし、2−8と大きくリードを広げられた。アルゼンチンは日本のサーブに対し、しっかりとレシーブを上げ、本来の高速バレーで着実に得点を積み重ねていった。日本はアルゼンチンの高さに苦しめられ、最後も山村、WS石島雄介のスパイクがブロックされるなど、4連続ポイントを奪われて、このセットを落とした。

 迎えた最終セット、中盤までサイドアウトの奪い合いが続き、1点を争う激しい攻防戦が展開された。しかし、日本は自らのミスでアルゼンチンに連続ポイントを許した。7−7から清水のスパイクがブロックされると、そのブロックを気にしたのか、今度は清水のスパイクがアウトとなり、7−9とリードを許した。これがこのセットの勝敗を分けるポイントとなる。日本は途中、ピンチサーバーで八子を投入するも、その八子のサーブが入らない。さらに清水のサーブもアウトとなるなど、なかなか連続ポイントを奪うことができなかった。最後は、清水のバックアタックがアルゼンチンのキャプテンWSロドリゴ・キロガのブロックにつかまり、ゲームセット。強豪・アルゼンチンに対し、最終セットまでもつれこむ接戦を演じた日本だったが、初勝利にはいたらなかった。