24日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第4戦で世界ランキング18位の日本は、同5位で欧州チャンピオンのセルビアと対戦。第2セットの途中からメンバーをガラリと変えたことで勢いに乗った日本は、フルセットまでもつれこむ大接戦を演じたが、白星を飾ることはできなかった。これで日本は開幕4連敗となった。

日本 2−3 セルビア
(21−25、22−25、25−18、25−22、12−15)
 開幕3連敗を喫し、初勝利を目指す日本とセルビア。第1セットの序盤はブロックの応酬となる。日本がWS石島雄介、WS福澤達哉が平均身長2メートルのセルビアのブロックにつかまる。しかし、日本もサーブでレシーブを崩し、MB松本慶彦が205センチのMBドラガン・スタンコビッチをブロックすると、石島、MB山村宏太、福澤にもブロックポイントが出る。激しい競り合いの中、中盤に抜け出たのはセルビアだった。13−13からサービスエースなどで3連続ポイントを奪った。ここから再びサイドアウトの取り合いとなる。なんとか追いつきたい日本だったが、2点差をなかなか詰め切れない。逆に日本はミスでセルビアに連続ポイントを許し、最後は清水のスパイクがブロックにつかまり、このセットを落とした。

 第2セット、日本はミスが続く。このセット、スタートから起用された守りのいいWS米山裕太がサーブレシーブをミスすると、S阿部裕太はサーブをネットにかける。さらにピンチサーバーで出たMB横田一義もサーブを入れることができない。中盤にも清水がバックアタックラインを踏むなど自分たちのミスで失点を重ねた。それでも石島がセルビアのベテランエース、WSイバン・ミリュコビッチをブロックすると、ピンチサーバーで清水と交代したWS山本隆弘がサーブでセルビアの守備陣を崩し、連続ポイントのチャンスをつくった。相手のミスもあり、日本は最大5点あった差を徐々に縮め、22−22と同点に追いつく。しかし、ここから相手エースが奮起した。ミリュコビッチがバックアタックを決めて23点目を挙げると、2本連続で米山のスパイクをブロックでシャットアウト。セルビアが連取した。

 後がなくなった日本は、スタートのメンバーをガラリと変える。第2セットの終盤、いい流れをつくった米山、山本、横田をそのまま起用した。これが功を奏す。第2セットまで多かったサービスミスがなくなり、逆に相手のサーブレシーブを崩す。すると、相手の攻撃陣がミスを連発。エースのミリュコビッチがバックアタックをアウトにすると、今度はバックアタックラインを踏んでしまう。逆に日本は、33歳ベテランの山本を中心に、石島、米山のサイド陣が次々とスパイクを決めていった。最後はセルビアのサービスミスでセットポイントを得た日本が、このセットを7点差をつけて奪った。

 第4セットも同じメンバーで臨んだ日本。序盤は1点を争う激しい攻防戦が繰り広げられた。この競り合いから抜け出したのは日本だった。16−17から阿部や石島のブロックポイントなどで怒涛の5連続ポイントを奪って、試合の主導権を握った。すると、終盤にはこれまでサイドにふっていた阿部がセンター陣を使う。山村、そしてミュンヘン五輪の金メダリストを父親にもつ横田のクイックが決まり、セットポイントを迎える。最後はチーム一の速さを誇る米山がライトから強烈なスパイクを叩きつけた。これで勝負はフルセットにまでもつれこんだ。

 その最終セット、日本は石島が2本連続でスパイクをブロックされ、セルビアに先行される。これが最後まで大きく響いた。日本はその後、山本が健在ぶりをアピールする活躍を見せ、逃げるセルビアに食らいつく。13−10から米山のスパイクがブロックされ、セルビアのマッチポイントを迎えるも、日本は山本のバックアタック、米山のレフトからのクロススパイクで12−14と2点差に詰め寄った。しかし、あと一歩及ばず。最後はセルビアのクイックが決まり、ゲームセット。セルビアは今大会初白星。日本は開幕4連敗となった。