女子日本代表「なでしこジャパン」のドイツW杯優勝祝賀会が27日、都内のホテルで開かれた。会場には選手21人と佐々木則夫監督、スタッフらW杯メンバーが7月の優勝帰国会見以来の全員集合。約400人の招待客と改めて快挙達成を祝った。その中で佐々木監督は、W杯優勝を振り返るとともに、来年のロンドン五輪に向けて抱負を語った。
(写真:5カ月ぶりに勢ぞろいしたなでしこジャパンW杯優勝メンバー)
「(優勝は)女子サッカー30年の夢。夢があるから強くなることの表れだったと思う」
 佐々木監督はスピーチの冒頭でW杯優勝をこう表現した。帰国してからはなでしこフィーバーが巻き起こり、団体初の国民栄誉賞、さらに「なでしこジャパン」が流行語大賞にも選ばれた。しかし佐々木監督は「女子サッカーを流行では終らせず、これから新たにまい進することが大事」と今後の継続的な女子サッカーの発展を訴えた。

 いよいよ2012年は五輪イヤーだ。スピーチの中で佐々木監督は「W杯で優勝し、五輪でも優勝した国はない。それだけ過酷であるということ。代表が始動する2月中旬からは新たにスタートする思いで足下を見て、大きな目標であるロンドンでの金メダルを目指して頑張っていきたい」と決意表明。五輪では世界女王として相手のマークも厳しくなる。指揮官もその点を認めながらも「大それたことはできないので、気を引き締めてやるだけ」と力強く語った。
(写真:「W杯ではみなさんに熱い思いを伝えられた」と語る佐々木則夫監督)

 選手たちも視線は五輪に向かっている。主将の澤穂希(INAC神戸)は、「自分みがきをしっかりしたい」と自身の強化ポイントにフィジカル面をあげた。そしてチームに関しては「日本の強みであるパスサッカー、ポゼッションのところの質を高めたい」と目標を掲げた。
 また、宮間あや(岡山湯郷)は五輪に臨む姿勢の重要性を強調する。
「W杯のチャンピオンではあるが、まだ五輪のチャンピオンではない。なので、もう一度、五輪の金メダルを目指すチャレンジャーとしてやっていく。そうすれば自分たちの方向性に間違いはないと思うので、結果が残せると思う」

 なでしこジャパンの2012年は、2月中旬に行われるU-20女子代表、U-17女子代表との3世代合同合宿からスタート。海外遠征を経て、世界初となるW杯、五輪の連続制覇に挑む。