6日、広島の前田健太が横浜スタジアムで行われた横浜DeNA−広島の1回戦で、ノーヒットノーランを達成した。2006年9月の阪神戦での山本昌(中日)以来、史上74人目(85回目)の快挙。広島では史上4人目のノーヒッターとなった。打者29人に対し、ランナーを出したのは6回と9回に与えた四球のみ。ほぼ完璧に近いピッチングだった。
9回2死1塁、レフトスタンドから降り注ぐ“健太コール”を背に、最後の打者・梶谷隆幸をピッチャーゴロに打ち取った。アウトがコールされた瞬間、雄たけびをあげ、ガッツポーズをみせた。
初回から直球、変化球とも精度が良かった。三振こそ6個だったが、ゴロアウトは15個。丁寧に打たせて取るピッチングが光り、6回2死まではDeNA打線をパーフェクトに封じた。
前田には昨季、苦い思い出がある。10月25日のヤクルトとの最終戦でノーヒットノーランまであと一歩までいきながら、初ヒットを許し、その後、一気にサヨナラ負けを喫したのだ。この日も点差は2点だっただけに最終回まで気を抜かなかった。
「去年の最終戦で9回1死から打たれて悔しい思いをしたので緊張したけど、(達成)できて良かった」
試合後のヒーローインタビューで前田は満面の笑みをみせた。
広島の投手のノーヒットノーランは99年の佐々岡真司以来。奇しくも背番号18を受け継いだ先輩と肩を並べ、「この背番号に恥じないようなピッチングをこれからも続けていきたい」と胸を張った。これで広島は4連勝。一昨季、沢村賞を獲得したエースの快投でコイのぼりの季節が一足早く訪れた。
※二宮清純コラム
前田健太「一番になるために生まれてきた男」(2010年9月掲載)
>>前編>>後編◇セ・リーグ
DeNA、3戦連続零封負け (広島1勝0敗、横浜)
広島 2 = 100000001横浜DeNA 0 = 000000000
勝利投手 前田健(1勝1敗)
敗戦投手 ジオ(0勝1敗)
本塁打 (広)ニック1号ソロ
中日、1分け挟み5連勝(中日1勝0敗、ナゴヤドーム)
東京ヤクルト 0 = 000000000
中日 1 = 10000000×勝利投手 吉見(2勝0敗)
敗戦投手 ロマン(0勝1敗)
セーブ 岩瀬(3S)
能見、Gキラーぶり発揮し2安打完封 (阪神1勝0敗、甲子園)
巨人 0 = 000000000
阪神 3 = 00000000×勝利投手 能見(1勝0敗)
敗戦投手 澤村(0勝2敗)
◇パ・リーグ
ペーニャ、失策の汚名返上の決勝打 (福岡ソフトバンク1勝0敗、西武ドーム)
福岡ソフトバンク 4 = 000000004埼玉西武 2 = 000002000
勝利投手 摂津(2勝0敗)
敗戦投手 ゴンザレス(0勝2敗1S)
セーブ ファルケンボーグ(4S)
ロッテ、開幕からの連勝が4でストップ(北海道日本ハム1勝0敗、QVCマリン)
北海道日本ハム 6 = 001100004千葉ロッテ 3 = 001100001
勝利投手 斎藤佑(2勝0敗)
敗戦投手 成瀬(1勝1敗)
本塁打 (日)糸井1号2ラン
(ロ)里崎1号ソロ、大松1号ソロ
バルディリス、土壇場で同点タイムリー(京セラD大阪)
東北楽天 2 = 01000000100
オリックス 2 = 00000000200 (延長11回)