柔道のロンドン五輪日本代表を決める最終選考会となる全日本選抜体重別選手権は12日、福岡国際センターで第1日の男女7階級が実施された。この日の注目階級だった男子73キロ級では昨年の世界柔道覇者・中矢力(ALSOK)が初優勝し、五輪出場に大きく近づいた。ライバルの秋本啓之(了徳寺学園職)は初戦で敗れ、直接対決で雌雄を決することができなかった。
 また男子では60キロ級で平岡拓晃(了徳寺学園職)が5連覇。66キロ級では海老沼匡(パーク24)が代表権を争っていた森下純平(筑波大)に一本勝ちし、3年連続の優勝を収めた。これにより、平岡、海老沼とも代表の座をほぼ確実にした。
 
 女子では63キロ級で世界ランキング1位の上野順恵(三井住友海上)が順当に勝ち上がり、2年ぶりの頂点に。70キロ級では田知本遥(東海大)が初めて制し、決勝に進めなかった國原頼子(自衛隊)との代表争いで明暗が分かれた。

 78キロ級では、これまでの成績から五輪切符獲得が濃厚な緒方亜香里(筑波大)が初優勝。78キロ超級では杉本美香(コマツ)が4月の全日本女子選手権で敗れた山部佳苗(山梨学院大)に決勝で雪辱し、4連覇を達成した。同級で世界ランキング1位の田知本愛(ALSOK)は全日本女子に続いて山部に準決勝で敗れ、ロンドン行きは厳しくなった。

 13日には女子48キロ級、女子52キロ級、男子100キロ超級など残りの7階級が実施され、全日程終了後の強化委員会で代表14名が決定する。