テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有は12日、本拠地でのロサンゼルス・エンゼルス戦に先発し、5回3分の1、93球を投げて3安打3失点で5勝目(1敗)をあげた。この試合は雨のため、1回裏途中に1時間56分の中断。調整が難しい状況ながら、ダルビッシュは続投し、ホームラン2本による失点にとどめた。5勝はア・リーグトップタイ。試合は序盤に大量得点をあげたレンジャーズが10−3で勝利した。
 1回をゼロに抑えて、2回のマウンドに上がるまで、2時間以上のインターバルがあった。1回の味方の攻撃中に豪雨で試合が中断。再開後に味方打線が爆発し、一挙6点のビッグイニングをつくった。

 日本時代なら確実にノーゲームになる展開だが、これがメジャー流だ。ただ、1時間以上も間が空けば、普通はピッチャーをスイッチするのが一般的。事実、エンゼルスの先発投手C.J.ウィルソンは再開後、2番手にマウンドを譲っている。ピッチャーにとってはコンディションをキープするのが大変な環境のなか、ダルビッシュは投げ続けた。

 しかも再開後のほうが球威が上がっていたから恐れ入る。2回は難なく三者凡退で打ち取ると、3回には1死後、四球を出して、1番マイク・トラウトに2ランを浴びたが、3番の怖いアルバート・プホルスはインハイで詰まらせてサードへのファウルフライに仕留めた。

 4回、5回もダルビッシュは四球をひとつずつ出しながらも、落ち着いた投球で無失点。6回は先頭のプホルスをアウトコースへのストレートでバットに空を切らせた。直後にトリー・ハンターに一発を打たれ、次打者に死球を当てたところで降板となったが、悪条件のなか、十分な役割を果たした。

 気がかりなのは、このところ3試合連続で被弾しているところか。メジャーの一流どころは、カウントを整えにきた甘いボールを逃してはくれない。結果を出すたびに、狭まる包囲網を突破しながら、テキサスの背番号11が白星を重ねていく。

<黒田、イチロー封じて3勝目>

 ニューヨーク・ヤンキースの黒田博樹が12日、本拠地でのシアトル・マリナーズ戦に先発し、7回を6安打2失点で今季3勝目(4敗)をあげた。この試合、黒田はマリナーズの3番・イチローと3年ぶり2度目の対戦。初回、先頭のダスティン・アックリーにいきなりソロアーチを許す立ち上がりも、1死後、イチローはアウトローのボールでサードファールフライに打ち取る。

 3回の第2打席も外のボールでレフトフライ。5回の第3打席は2死満塁のピンチでイチローを打席に迎えたが、またもアウトコースをひっかけさせてサードゴロに仕留めた。結局、黒田はソロホームラン2発による失点のみで、イチローを3打数無安打に封じるなど、マリナーズ打線に連打を許さなかった。イチローは8回の第4打席も凡打に倒れ、4試合ぶりに無安打だった。試合は6−2でヤンキースが勝利している。