欧州競馬の最高峰レース、第91回凱旋門賞(G?・芝2400m)がフランス・ロンシャン競馬場で開催され、日本から参戦したオルフェーヴル(クリストフ・スミヨン騎手)は最後にかわされて2着に終わった。過去の同賞で日本馬は2着が最高。昨年の中央競馬で三冠を達成したオルフェーヴルには日本競馬界初の快挙が期待されたが、わずかに及ばなかった。
 歴史の扉を開くまで、あと10メートルだった。最後の直線で抜け出し、レースとしてはこれ以上ない展開。しかし、外から追い上げた地元フランスのソレミア(オリビエ・ペリエ騎手)にゴール手前でかわされた。

 大外の18番と不利な位置からのスタートだった。しかし、集団の後ろにつけ、勝負どころをうかがう。そして最終コーナーを回っての直線。赤の帽子を被ったスミヨシ騎手に導かれ、オルフェーヴルが一気に加速する。外から一気に足を伸ばして中へ切り込み、集団の先頭へ。そのまま内で後続との差を広げ、残り200メートルではほぼ1馬身差をつけた。

 快挙は目前と思われたが、ここからソレミアが猛烈に差を縮めてくる。逃げるオルフェーヴル、追うソレミア。しかし、両馬の間隔はみるみるうちに狭まり、ラストで差し切られた。勝ったペリエ騎手は同賞で唯一の3連覇(1996〜98年)を果たしている。中央競馬でも有馬記念、天皇賞を制した実績を持つおなじみのジョッキーが、日本の夢を打ち砕いたかたちとなった。