欧州遠征中のラグビー日本代表(IRBランキング15位)は17日、トビリシでグルジア代表(同16位)と対戦し、25−22で勝利した。この遠征前まで日本は敵地で欧州勢に対し、1度も勝ったことがなく、10日にルーマニア代表を破って初勝利をあげたばかり。一時は9点のビハインドを背負いながら逆転し、エディー・ジョーンズヘッドコーチ率いる代表の進化を証明する連勝となった。
 最後までボールを展開する姿勢が勝利につながった。
 試合時間は80分を過ぎて、22−22の同点。自陣でのピンチをしのぎ、引き分け狙いならボールを外に出してプレーを切っても良い状況だった。

 しかし、日本はボールをつないでひたすら敵陣に迫る。体格で勝る相手のタックルにもミスを犯すことなく、ジリジリとゴールまで22メートルラインのところまで押し込んだ。

 すると相手がたまらず守りの反則。日本にアドバンテージが与えられる中、SO小野晃征がラックからのこぼれ球を拾って蹴り上げる。ボールは弧を描いてゴールバーを越えた。劇的なドロップゴール。3点が加わり、桜のジャージの選手たちが両手を突き上げてノーサイドの瞬間を迎えた。

 相手の分厚いFW陣に圧倒され、前半の立ち上がりで0−9とリードされた。それでもPG2本で得点を返し、前半のロスタイムにWTB小野澤宏時が左隅にトライ。13−9と逆転して試合を折り返す。

 しかし、後半に入ってグルジアにトライを許すなど再び試合をひっくり返され、13−22。再び9点ビハインドを背負ったものの、右へ左へボールをまわし、大男たちの隙間を縫うように敵陣へ攻め入る。相手の反則に乗じて3本のPGをFB五郎丸歩が立て続けに決め、同点に追いついた。

 日本はルーマニア、グルジアと体格で上回る相手の圧力に苦しみながらも、展開の速さで得点を重ね、連勝を収めた。試合終盤まで選手たちの動きも落ちず、最後まで攻め続けられた点も勝因だろう。「世界のトップ10入り」へ確かな収穫と手ごたえを得て、代表はフランスに渡り、残り2試合(21日対バスク選抜、25日対フレンチバーバリアンズ)を戦う。