川内、大会新で優勝! 〜第62回別府大分毎日マラソン〜

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 3日、第62回別府大分毎日マラソンが大分市高崎山・うみたまご前から大分市営陸上競技場までの42.195キロで行われ、川内優輝(埼玉県庁)が2時間8分15秒の大会新記録で優勝を果たした。2位には2時間8分35秒で中本健太郎(安川電気)が入った。川内は世界選手権の派遣標準記録(2時間7分59秒)をクリアできなかったが、代表選考会のひとつ、昨年12月の福岡国際マラソンでの堀端宏行(旭化成)のタイムを上回り、国内の選考会2つを残し代表争いのトップに躍り出た。
 ロンドン五輪代表の中本との激しいデッドヒートの末、レースを制したのは、“最強の市民ランナー”川内だった。

 序盤の5キロは15分ちょうどと、キロ3分ペースの落ち着いたレース展開だった。暖かい日差しが照りつける中、大きな集団を形成していた。中間点で先頭集団は10人ほどに減ると、25キロ付近で5人に絞られる。

 そしてレースが動いたのは、28キロでの上り坂。川内と中本が先頭集団から飛び出す。苦しい表情の川内、逆に表情を変えることなく淡々とペースを刻む中本。対照的な表情を見せる2人が集団から抜け出して、レースを引っ張る。その後、冷静な表情で川内をかわし、リードを奪った中本だったが、33.4キロで川内が抜き返した。すると33.8キロでは中本が再びリードを奪い返す。中本は「35キロから離していきたかった」というプランだったが、川内も離れずに粘り強くついていく。

「苦しかったけど、消極的な代表争いはしたくなかった」と、川内の表情は険しいままだが、積極的に仕掛ける。36.6キロ地点、弁天大橋に入ったところで、ペースを上げ中本を引き離しにかかる。しかし、中本も譲らない。

 激しいつば競り合いに決着がついたのは残り1.7キロ、給水地点だった。川内の4度目の仕掛けで、ついに中本が力尽き、徐々にその差が開いていく。川内は一度も振り返ることなく、ゴールテープを先頭で切った。自己ベストを上回る2時間8分15秒の大会新記録をマークし、優勝した。

 別府大分は4年前に初マラソンに臨んだ思い出の大会。2時間19分26秒で20位に入った当時は、「マラソンは楽しいな」と感じたという。今大会での思いを問われると「やっぱりマラソンは楽しい」と、再び笑った。

 世界陸上モスクワ大会の派遣標準記録は超えられず、代表内定とはならなかった。だが昨年12月の福岡国際での堀端が出した2時間8分24秒を上回ったことで、モスクワ行きの切符はほぼ手中に収めたといっていい。川内はレースこなして仕上げていく独特の調整法。今後については、出場を予定していたびわ湖毎日マラソンを回避して、ソウルマラソンで2時間7分台を目指すことを明かした。“最強の市民ランナー”は、その歩みを止めることなく、走り続けることでモスクワに挑むようだ。

 一方の中本は、「最後のところで負けたので、悔しい気持ちでいっぱい」と唇を噛んだ。10度目のマラソンで初優勝を狙ったが、川内の粘り強さに屈した。自己ベストは更新し、ロンドン五輪6位入賞の意地は見せたが、本人は「まだまだ弱い」と反省した。

 上位の成績は以下のとおり。

1位 川内優輝(埼玉県庁) 2時間8分15秒
2位 中本健太郎(安川電気) 2時間8分35秒
3位 東野賢治(旭化成) 2時間12分13秒
4位 大塚良軌(愛知製鋼) 2時間12分51秒
5位 石田将教(佐川急便) 2時間13分7秒
6位 マイケル・シェリー(オーストラリア) 2時間13分12秒
7位 千葉優(Honda) 2時間13分19秒
8位 橋本直也(ヤクルト) 2時間14分36秒
9位 酒井将規(九電工) 2時間14分44秒
10位 佐藤智之(旭化成) 2時間16秒5秒
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