ラグビー日本選手権決勝が24日、東京・国立競技場で行われ、サントリーサンゴリアスが神戸製鋼コベルコスティーラーズを36−20で破り、3年連続6回目の優勝を収めた。サントリーは昨季に続き、トップリーグとの2冠を達成。開始早々にWTB村田大志のトライで先制すると、その後も着実にリードを広げた。サントリーは今季の公式戦を全勝で終えた。
 サントリーの強さが際立ったシーズンを象徴するかのような決勝だった。立ち上がりから得点を重ね、12年ぶりの優勝を狙った神鋼を圧倒した。

 まずはキックオフ直後、WTB小野澤宏時が左サイドを突破。そこから右へ展開して、最後は村田が右中間に飛び込む。ノーホイッスルトライで、相手の手鼻をくじいた。

 さらに16分、ラックから左に展開し、再び小野澤がタッチライン際を駆け抜ける。巧みなステップで神鋼ディフェンスをかいくぐると、倒れこみながら左隅へ。ベテランのトライで12−0とリードを広げた。サントリーはその後、PGで得点を加えると、相手の反撃をPGによる3点にとどめ、15−3で試合を折り返した。

 しかし、サントリーは主将のLO真壁伸弥が足の負傷の影響もあり、前半で退出。前半終了間際にはシンビンで1人退場になっており、数的不利で後半を迎える。神鋼にとっては巻き返しの大チャンスだ。だが、逆に突き放したのは3連覇へ邁進する王者だった。

 後半4分、ゴール前でパスを受けたSO小野晃征が相手のスキをつき、キックで左へ蹴り出す。そこへ抜け出したのはCTB平浩二だ。人数が1人少ない状態でも連携は乱れず、そのままインゴールでボールを押さえた。

 このトライで完全に主導権を握ったサントリーは14分には、真壁の代わりに入った元申騎が相手の守りを縦に切り裂く。選手層の厚さをみせつけるようなトライで、29−3と大量リードを奪った。23分にはNo.8西川征克がハーフウェーラインから独走してダメ押し。神鋼は南アフリカ代表CTBのジャック・フーリーのトライなどで追い上げたものの、勝敗は既に決していた。

 落ちない運動量に、分厚い攻撃、安定した守り、そして充実の選手層。サントリーが築き上げた王国はしばらく揺らぎそうもない。