キプルトがV 藤原が日本人最高の4位 〜第68回びわ湖毎日マラソン〜

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 3日、世界選手権(モスクワ)の男子日本代表選考会を兼ねた第68回びわ湖毎日マラソンが滋賀・皇子山陸上競技場を発着点に行われ、ビンセント・キプルト(ケニア)が2時間8分34秒で優勝を果たした。日本人トップには藤原正和(Honda)が2時間8分51秒の4位でフィニッシュした。期待されたロンドン五輪代表の山本亮(佐川急便)は2時間9分6秒の5位に終わった。
 今大会が国内の選考会最後のレース。結局、4大会で派遣標準記録(2時間7分59秒)を超える日本人はいなかった。残りの選考レースは、4月に開催されるボストンとロンドンが対象となり、代表選手は日本陸上連盟の理事会(4月25日)で決定する。

 

 気温6.2度、北風が舞うコンディションが選手たちを苦しめた。そんな状況下でも強さを発揮したのは、アフリカ勢。先週の東京マラソンにつづき、今大会も表彰台を独占した。

 序盤からなかなかペースが上がらなかった。10キロは30分16秒、20キロは1時間38秒と、遅い前半となった。

 22キロ過ぎでタリク・ジュファー(エチオピア)がしびれを切らして、一度飛び出す。1キロ2分52秒のペースを刻む。出場選手3番目の記録(2時間6分51秒)を持つジュファーが、レースを動かすかに思われたが、ペースを上げきれずに24キロで後続に吸収され、先頭は再び大きな集団を形成した。

 再びレースが動いたの、ペースメーカーが離れた30キロ過ぎ。キプルト、ジェームス・ムワンギ(ケニア、NTN)ら外国勢がレースを引っ張ると、集団は徐々に縦に割れていった。距離を重ねるにつれて、日本人は1人、2人と先頭から遅れていく。38キロ手前で、キプルト、ジュファー、ムワンギの優勝争いは三つ巴の様相を呈した。

 40キロを過ぎると、ムワンギが脱落し、キプルト、ジュファーのマッチレースとなった。ゴールとなる皇子山陸上競技場まで、どちらが先にゴールテープを切るかわからないデッドヒートを繰り広げた。

 最後はトラック勝負。ラスト1周でジュファーが先行するも、ラストの直線を前にして、キプルトが差し切った。「ジュファー選手は強い。とにかく前ヘ行こうと思った」と、直線でぐんぐん差をつけ、2時間8分34秒でフィニッシュ。11年の世界選手権大邱大会の銀メダリストが、その力を見せつけた。25歳のケニア人は、「厳しいコンディションだったが、レースを楽しむことができた」と笑った。

 一方、日本人トップには、一般参加・31歳の藤原が入った。30キロからのペースアップにもついていったが、最後は37.7キロで引き離された。それでも「何とか世界選手権に行きたいと思っているので、最低でも8分台を目指して粘った」と、日本人1位を死守しながらも、前のアフリカ勢を追いかけた。記録は2時間8分51秒と、これまでの選考会の日本人最高位のなかで最低のタイムだった。

 ただ、日本陸連の尾縣貢専務理事は「ラスト5キロで、一度引き離されたが素晴らしい粘りだった」と、最後まで勝負を捨てない姿勢を評価した。本人も「何とか選考のテーブルには乗れたかな」と、手応えを口にした。

 昨年の大会で日本人トップ(4位)に入り、ロンドン五輪への切符を掴み取った山本は、藤原に次ぐ5位でゴールした。36.5キロで突き放され、優勝争いから脱落、2時間9分6秒の結果に「タイム、内容ともに求めるものとは程遠い」と不満のコメントを口にした。

 注目された初マラソンの窪田忍(駒澤大学)は28位に沈んだ。去年のびわ湖で青山学院大3年(当時)の出岐雄大が9位に入る健闘を見せ、それを受けて出走を決意したという。窪田は、6キロ過ぎの給水地点で転倒するアクシデント。それでも、30キロまでは先頭集団についていたが、ペースが上がると引き離された。デビュー戦の記録は2時間15分48秒。来季から駒大駅伝主将を務める窪田にとって、マラソンの厳しさを知ったレースとなった。

 上位の成績は以下のとおり。

1位 ビンセント・キプルト(ケニア) 2時間8分34秒
2位 タリク・ジュファー(エチオピア) 2時間8分37秒
3位 ジェームス・ムワンキ(ケニア、NTN) 2時間8分48秒
4位 藤原正和(Honda) 2時間8分51秒
5位 山本亮(佐川急便) 2時間9分6秒
6位 石川末廣(Honda) 2時間9分10秒
7位 松村康平(三菱重工長崎) 2時間10分12秒
8位 ビクトル・ロスリン(スイス) 2時間10分18秒
9位 足立知弥(旭化成) 2時間10分22秒
10位 田村英晃(JR東日本) 2時間10秒54秒

(杉浦泰介)

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