18日、アイスホッケー女子日本代表の米国合宿メンバー発表が行なわれた。今年2月のソチ五輪最終予選を勝ち抜き、1998年長野大会以来の出場を決めたスマイルジャパン。5月から行なわれてきた合宿・遠征を経て選出された24名が、明日19日に米国合宿へと発つ。現地では地元大学チームなどと練習試合を行ないながら、残り5カ月となったソチ五輪に向けて、選手選考とチーム強化が図られる。
 来年2月に開催されるソチ五輪に出場するアイスホッケ―女子は8カ国。世界ランキング1位の米国を筆頭に、2位・カナダ、3位・フィンランド、4位・ロシア、5位・スイス、6位・スウェーデン、7位・ドイツと世界の強豪が集結し、熾烈な争いが繰り広げられる。そこに世界ランキング10位の日本が割って入るのは、決して容易なことではない。8月にはフィンランド・ヘルシンキでフィランド代表と強化試合を行なったスマイルジャパン。結果は1−4、1−2と2戦連敗に終わった。

 だが、「思った以上にいいゲームができた」と飯塚祐司監督は自信をのぞかせた。
「1年前は0−7と完敗だったんです。その時と比べたらしっかりとゲームになっていた。2試合目は第2ピリオドまで日本がリードしていたんですからね。選手たちも負けても下を向いていなかった。レベルアップしているという自信をつかんでいるんだと思います」
 

 とはいえ、「いい内容だった」では勝つことはできないことは百も承知だ。五輪で世界の壁を打ち破るための課題も、フィンランド戦で明らかとなった。
「1対1の場面での弱さが露呈した。ディフェンスゾーン、ニュートラルゾーン、オフェンスゾーン、どの場面においても1対1の強化を図らなければならない」
 と飯塚監督。8月の合宿では、その1対1の強化に注力したという。今回、米国での5試合でその成果を出し、1対1での強さに磨きをかけていくつもりだ。

 帰国後の11月(7〜10日)には新横浜スケートセンターで「女子アイスホッケー5ヶ国対抗戦」が行なわれる。同大会ではソチ五輪に出場するスイス、ドイツに加えて、ソチ五輪には出場しないものの、世界ランキングでは日本より上であるスロバキア(8位)、チェコ(9位)といった世界の強豪チームと対戦する。これまで国際大会の経験が十分ではなかった日本にとっては、貴重な経験となるはずだ。

 果たして5カ月後、ソチの地で“笑顔の花”を咲かせることができるのか。今後の強化策の成否がそのカギを握る。

 米国合宿メンバーは次の通り。

【GK】
中奥 梓(Toyota Cygnus)
藤本 那菜(ボルテックス札幌)
小西 あかね(釧路ベアーズ)

【DF】
近藤 陽子(SEIBUプリンセスラピッツ)
青木 香奈枝(三星ダイトーペリグリン)
鈴木 世奈(SEIBUプリンセスラピッツ)
竹内 愛奈(Daishin)
堀 珠花(Toyota Cygnus)
小池 詩織(三星ダイトーペリグリン)
床 亜矢可(SEIBUプリンセスラピッツ)

【FW】
久保 英恵(SEIBUプリンセスラピッツ)
坂上 智子(三星ダイトーペリグリン)
足立 友里恵(SEIBUプリンセスラピッツ)
山根 朋恵(Daishin)
平野 由佳(三星ダイトーペリグリン)
中村 亜実(SEIBUプリンセスラピッツ)
米山 知奈(三星ダイトーペリグリン)
大澤 ちほ(三星ダイトーペリグリン)
藤本 もえこ(三星ダイトーペリグリン)
獅子内 美帆(Toyota Cygnus)
寺島 奈穂(Daishin)
浮田 留衣(Daishin)
青木 亜優子(Daishin)
床 秦留可(SEIBUプリンセスラピッツ)