元日恒例の第58回全日本実業団対抗駅伝競走(ニューイヤー駅伝)が1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが出場して行なわれ、1区では15位で出遅れたコニカミノルタが2区で3位になると、そこからトップ争いを演じ、5区でトップに立つ。そのままトップの座を守りきり、4時間53分35秒で連覇を達成した。2位には昨年に続いてトヨタ自動車九州、3位には日清食品グループが入った。
 9時10分、元日の朝日が差し込む中、号砲とともに飛び出したのは、昨年に続いて1区を任せられた旭化成の大西智也。その後ろにピタリとついていったのはトーエネックの井上裕彬と三菱重工長崎の木滑良だった。その後ろには34チームが誰一人遅れることなく大集団を形成した。徐々にその大集団との差を広げていく先頭グループだったが、5キロを過ぎたところで井上が遅れ始め、トップ争いは2人となった。10キロを過ぎると、富士通の山口祥太が引っ張るようにして第2集団が一気にペースを上げて、先頭との差を縮めるも、旭化成がトップでたすきを渡した。

 唯一外国人選手が走ることのできるインターナショナル区間の2区では、順位が大きく入れ替わる。スタート直後、先頭は2年ぶりの優勝を狙う日清食品グループのレオナルドと、トヨタ自動車のカマシだったが、3キロを過ぎたあたりで6人を抜いたNTNのワウエルがトップに立ち、そのまま3区の笹沼悠司にたすきを渡した。そして驚異のごぼう抜きを見せたのは初出場のDeNAのカロキ。33位でたすきを受けたカロキは新記録となる26人を抜き去り、7位に入った。

 3区では日清食品のスーパールーキー村澤明伸が5キロ手前でトップに立つと、そこから独走状態となった。村澤はそのままトップをキープし、エース佐藤悠基につないだ。4区は各チームのエースが終結し、“花の4区”と呼ばれる最長22キロ。佐藤は足に故障を抱えた状態で不安視されたが、前半は力強い走りで快走した。その後ろには富士通の平賀翔太、旭化成の岩井勇輝、コニカミノルタの宇賀地強、トヨタ自動車の宮脇千博が2位集団を形成し、先頭の佐藤を追った。

 アクシデントが起こったのは16キロ過ぎ。佐藤のペースが急速に落ち、止まりかけた。なんとか走り続ける佐藤だが、前半の走りとはまったく異なる様相を呈し、2位争いを演じる宮脇と宇賀地との差が徐々に縮まっていく。それでもなんとかトップでたすきを渡し切り、2年ぶりの優勝に望みをつなげた。その13秒後にはトヨタ自動車、16秒後にはコニカミノルタが続いた。さらに昨年区間賞を獲得したトヨタ自動車九州の今井正人が12人を抜き、17位から5位にまで順位を上げた。

 5区ではトヨタ自動車の大石港与がすぐに日清食品の高瀬無量に追いつき、後ろにピタリとついた。4キロ手前ではコニカミノルタの野口拓也が大石と高瀬に追いつき、三つ巴の戦いが繰り広げられた。10キロ過ぎのところで高瀬が遅れ始める。徐々に向かい風が強まる中、野口と大石はわずか3秒差で6区のランナーにたすきを渡した。

 6区ではコニカミノルタの新田良太郎が4キロ付近で前に出ると、その後どんどん後続をつきはなし、独走状態を築いた。新田は2位・トヨタ自動車九州に約1分半の差をつけ、2年連続で区間賞を獲得。これでコニカミノルタの優勝への可能性が大きく広がった。そのコニカミノルタのアンカーを託されたのはルーキーの菊地賢人。菊地は落ち着いた走りでチームメイトが待つフィニッシュ地点の群馬県庁を目指した。そして最後まで安定した走りを見せた菊地が、トップでゴールテープを切り、コニカミノルタが昨年に続いての優勝を決めた。その1分24秒後にゴールしたトヨタ自動車九州は2年連続で2位。3位には日清食品が入った。

 順位は以下の通り。
(1)コニカミノルタ(2)トヨタ自動車九州(3)日清食品グループ(4)旭化成(5)中国電力(6)富士通(7)トヨタ自動車(8)Honda(9)SUBARU(10)九電工(11)ヤクルト(12)トヨタ紡績(13)NTN(14)YKK(15)小森コーポレーション(16)JR東日本(17)DeNA(18)日立物流(19)大塚製薬(20)三菱重工長崎(21)SGHグループさがわ(22)愛三工業(23)愛知製鋼(24)安川電機(25)住友電工(26)プレス工業(27)NTT西日本(28)JFEスチール(29)マツダ(30)トーエネック(31)山陽特殊製鋼(32)西鉄(33)黒崎播磨(34)八千代工業(35)中電工(36)南陽市役所(37)セキノ興産