8日(現地時間)、スキー・アルペンの滑降が行なわれ、座位カテゴリーで狩野亮(マルハン)が金メダル、鈴木猛史(駿河台大学職員)が銅メダルに輝いた。また、バイアスロンでは、男子7.5キロの座位で久保恒造(日立ソリューションズ)が銅メダルを獲得。10個のメダルを目標とする日本選手団だが、初日から早くも3つのメダル獲得となった。
 高速系を得意とし、4年前のバンクーバー大会では同種目で銅メダルを獲得した狩野。前の選手が激しく転倒し、ヘリコプターで運ばれるアクシデントが起きたものの、狩野は集中力を切らさなかった。序盤の難しいポイントでは、昨年のソチでのW杯で転倒した経験などをいかして安定感を重視してクリアすると、中盤以降は持ち前の攻めの滑りで加速していった。狩野は唯一の23秒台である1分23秒80の好タイムで、バンクーバーでのスーパー大回転に続いて自身2つ目となる金メダルに輝いた。

 さらに銅メダルを獲得したのは鈴木だった。「体幹が100%使えるので、荒れれば荒れるほど自分には有利になる」と語っていた通り、トレイルランでは初日に1位、2日目には2位のタイムをたたき出していた鈴木。そして迎えた本番、スタート前にはリラックスした表情で笑顔を見せていた鈴木は、しっかりとした安定した滑りを見せる。最後までスキー板を下に落とす攻めの滑りでゴールし、3位に入った。もともと高速系よりも回転や大回転といった技術系を得意とする鈴木だけに、今大会は複数のメダル獲得が期待される。

 一方、11−12シーズンのW杯総合チャンピオン、今大会は日本選手団のキャプテンとして4度目の出場となった森井大輝(富士通セミコンダクター)は、序盤にまさかの転倒で途中棄権となった。しかし、“オールラウンダー”の森井だけに、今後の種目で滑降の雪辱を果たしたいところだ。

 立位カテゴリーに登場した三澤拓(キッセイ薬品工業)は9位とあと一歩入賞には届かなかったが、技術系の種目を得意とするだけに、調子の良さがうかがえた。小池岳太(セントラルスポーツ)は転倒で途中棄権となった。

  久保(座位)、自身初のメダル獲得 〜スキー・バイアスロン〜

 バイアスロン・ショートでは座位カテゴリーの久保が、「最初から最後まで集中することができた」という言葉通り、得意の射撃で2回ともに全5発を的中させ、トップに41秒9差の21分45秒6で3位。念願だった自身初となるパラリンピックでのメダル獲得を果たした久保は、レースを次のように振り返った。

「メダルの自信は最後までなかったが、すべてを出し切った。上りでいかにアドバンテージを得られるかを意識していた。冷静に展開できたのが、バンクーバーからの成長だった」
久保が最も得意とし、金メダルに期待がかかるミドル(12.5キロ)に向けて、弾みをつけたかたちとなった。

 立位カテゴリーでは佐藤圭一(エイベックス)が13位、女子は開会式で旗手を務めた太田渉子(日立ソリューションズ)が6位、出来島桃子(新発田市役所)が8位とともに入賞。初出場の18歳、阿部友里香(日立ソリューションズ)は13位だった。

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