9日(現地時間)、スキー・アルペンのスーパ大回転が行なわれ、男子の座位カテゴリーで狩野亮(マルハン)が前日の滑降に続いて今大会2個目の金メダルに輝き、同種目ではバンクーバーに続く連覇を達成した。さらに日本選手団主将の森井大輝(富士通セミコンダクター)も銀メダルを獲得した。
 前日の滑降で珍しく転倒し、途中棄権となった森井。その際に身体を雪面に強く叩きつけ、その影響が不安視されたが、森井はいつも通り安定した滑りを見せた。前日同様にこの日も雪面に波ができる荒れたコース。森井は途中、スキー板が流れたものの、すぐに立て直すと、転倒の多い最後の急斜面もうまく切り抜け、トップに立った。

 その森井の次にスタートしたのが、前日の滑降で金メダル第1号となった狩野だった。安定感を武器とする森井とは異なり、スキー板のテールの部分で突っ込んでいくスタイルの狩野。それだけにリスクも大きいが、この日の狩野も乗っていた。躊躇なく果敢に攻め、観ている方が手に汗握ってしまうほどスリル感のある滑りを披露した狩野は、森井を2秒09上回る好タイムを叩き出した。

 今大会は“日本人表彰台独占”を狙うアルペン男子座位。その最も可能性が高いと見られていたのが、このスーパー大回転だった。それだけに、後半に登場した鈴木猛史(駿河台大学職員)に期待の目が注がれた。前日の滑降では銅メダルを獲得した鈴木。「コース設定が自分に合っていると聞いていたので、自分にもチャンスがあると思っていた」という言葉通り、この日はスタートから前日以上に攻めの滑りを見せ、明らかに表彰台を狙っていた。しかし、残念ながら途中でコースアウトとなってしまい、鈴木はゴールすることができなかった。それでも狩野、森井が1、2フィニッシュを達成。アルペン男子は2日間で4つのメダル獲得となった。

 そのほか、同じ座位の夏目堅司(ジャパンライフ)と谷口彰(相模組)は途中棄権に終わった。一方、立位では前日の滑降では途中棄権となった小池岳太(セントラルスポーツ)は9位、42歳ベテランの阿部敏弘(日本身体障害者スキー協会)は13位。三澤拓(キッセイ薬品工業)は最後から2つ目の旗門を通過することができずに途中棄権、東海将彦は今後の種目にかけるために棄権した。

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