10日(現地時間)、スキー・クロスカントリーのクラシカルが行なわれ、男子の立位カテゴリーで新田佳浩(日立ソリューションズ)が4位入賞となった。また女子の立位では、3月に高校を卒業したばかりの18歳、阿部友里香(同)が8位入賞を果たした。
「不可能を可能性にする」をモットーにしてきた新田。4年前のバンクーバー大会では日本選手団の主将として出場し、宣言通り、10キロクラシカルと1キロスプリントで2つの金メダルを獲得した。33歳ベテランとして4度目の出場となった今大会の最初の種目となった20キロクラシカル、新田は強く、のびやかなフォームでスタートしていった。

 1周4キロのコースを5周するこの種目、1周目を2位のタイムで通過した新田だったが、5.7キロ地点ではロシア勢2人に18秒差で3位となる。さらに、2周目を終えた8キロ地点ではトップのルーシャン・ミネグロフ(ロシア)と約48秒差つけられて4位に落ちた。

 9.7キロ地点で新田はトップとは1分11秒6と差が開いたものの、3位のブラディスラフ・レコムチェフ(ロシア)には15秒差の4位と、メダルの可能性はまだ十分にあった。新田は、そのまま4位の位置をキープし、残り2周とする。

 しかし、レコムチェフとの差は徐々に開いていった。ラスト1周となった16キロ地点で、約1分半に広げられ、苦しい展開となる。それでも最後まで力強いフォームで滑り切った新田はゴール後、バタリと倒れた。その姿からは全力を出し切った様子がうかがえた。

 結果は4位と、あと一歩のところで表彰台を逃しただけに、新田はレース後「応援してもらった皆さんには申し訳ないレースをしてしまった」と悔しさをにじませた。しかし、メダルの可能性が最も高いのは、12日のスプリントだ。最初の種目での4位入賞を追い風にして、バンクーバー大会に続く連覇を狙う。

 女子15キロクラシカルでは立位カテゴリーに初出場の18歳・阿部が臨んだ。初日のバイアスロン・ショートでは13位と健闘した阿部は落ち着いた表情を見せ、右手1本のストックで雪面を押しながら、力強くスタートを切った。

 多くの選手が水分を多く含む雪質にワックスが合っていないのか、特に上りでスリップしている様子がうかがえたものの、阿部はしっかりと板で雪をつかんでスムーズにシュプール上に乗って滑っていった。世界のトップ選手とは徐々に差は広げられたものの、結果は8位入賞。今後につながる活躍を見せた。

 一方、アルペンスキーの女子スーパー大回転では、座位カテゴリーで17歳の村岡桃佳(正智深谷高)が登場。最後まで滑り切ったものの、途中の旗門を通過しておらず、失格となった。

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