日本最大のシニア戦、”ルーキー”深堀の優勝宣言にベテランが応戦! ~ファンケルクラシック~
7月9日、「第19回ファンケル クラシック(於・裾野カンツリー倶楽部/8月23~25日)」の開催概要が発表された。PGAシニアツアーの1戦として開催されるこの大会は、昨年まで9年連続で2万人以上のギャラリーを集めている。今年も2万5000人前後の動員が見込まれており、参加プロは今から「いいプレーをして大会を盛り上げたい」と意気込んでいる。
都内で行われた開催発表会には冠スポンサーの株式会社ファンケル・池森賢二大会会長、 日本プロゴルフ協会会長・倉本昌弘、中嶋常幸、鈴木亨、室田淳、米山剛、深堀圭一郎が参加した。まず池森会長が19回目を迎えるファンケルクラシックへの思いについて、こう述べた。
「第1回大会は2219人のギャラリーしかいなかったが、そこから毎年、トップシニアの方々がいいプレーを見せてくれて、ファンケルクラシックは大きく成長できました。『赤字になってもやめるもんか』と思って始めた甲斐があるというものです。今年はベテランシニアに加えて、ルーキーである深堀圭一郎選手が参加します。フレッシュな顔ぶれでまたいい大会になると期待しています」
期待されるルーキーの深堀は、並み居る先輩たちに向かって"優勝宣言"で先制パンチを放った。
「今年からシニアツアーに参戦して、新人としてイジられまくっています。エレベーターに乗れば中嶋(常幸)さんに"歩かないのか?"と言われたり、そんな楽しい雰囲気で戦っています。中嶋さんとは一緒にラウンドしたことがないので、ファンケルクラシックでは是非一緒に回りたい。先輩はとてもパターが上手なので、それに負けないように頑張りたい。シニア初優勝がこの大会だったら最高だと思います」
中嶋は後輩の宣戦布告にこう応じた。
「おい、先輩をイジろうっていうのか(笑)。僕にとってファンケルクラシックはシニアの楽しさを教えてくれた大会。ピリピリしてるわけではなく、いい雰囲気の中で高いレベルで戦うことができる。そんな楽しさを教えてくれた大会ですが、まだ恩返しができていない。今年は優勝してファンケルクラシックに恩返しがしたい。いつもそう思っているんですが、よく邪魔が入るんですよ。今年は深堀が勝つとか言っているし、ひとりで4回も勝ったりする人(室田淳)もいるから(笑)」。
ファンケルクラシック最多、4回の優勝を誇る室田は、今年も優勝候補の筆頭だ。5勝目に向けた意気込みをこう語った。
「今年は全米でタイガー・ウッズが勝ち、そして先週は石川遼君が復活するなど、ゴルフ界は明るい話題ばかり。ゴルフがますます盛り上がるように、私も夏に向けてコンディションを整えて、素晴らしい大会にしたいですね」
昨年、シニア初優勝を飾り年間3勝、賞金ランキング2位に入った鈴木は、シニア転向4年で未だファンケルクラシックの勝利はない。「ぜひ、勝ちたい」と意気込み、こう抱負を述べた。
「昨年、初勝利から5週間で計3勝と終盤にいいゴルフができて賞金ランキング2位に入れました。そのおかげで全米シニアに参加できたり、いい経験をさせてもらっています。今、7週連続で試合がありますが、とても充実しています。今季は最初5位とまずまずのスタートでしたが、まだまだな部分がある。またアメリカにも行きたいので賞金ランキング4位までに入りたい。そのためにも8月のファンケルクラシックに勝って、後半に勢いをつけなきゃいけない。(石川)遼君の勝ったところはテレビで見ていましたが、とてもいいゴルフで、見ていて興奮しました。ファンケルクラシックもテレビで放映されるから、自分たちも見ている人もワクワクさせるような、ゴルフっていいなと思ってもらえるプレーがしたいですね」
地元が小田原と裾野に近い米山剛は2年ぶりのファンケルクラシック優勝を狙う。
「シニアで初めて勝ったのがこのファンケルクラシックでした。とても思い入れの強い大会なので今年も勝ちたい。応援してくれるギャラリーも多いから、その人たちのためにも優勝争いに加わりたいですね」
日本プロゴルフ協会会長の倉本も、「そろそろ年齢的に最後のチャンス」と若手を牽制しながら、今大会に並々ならぬ意欲を燃やしている。
「シニアツアーがまだ年間数戦しかない時代に、ファンケルさんの支援によってこの大会が始まりました。『シニアの元気は日本の元気』というスローガンのとおり、おかげさまでシニアツアーも今は18戦が組まれるところまで成長しました。それも全部、ファンケル池森会長の熱意のおかげだと思っています。2万人以上のギャラリーの前でプレーできることはゴルファー冥利に尽き、とてもやり甲斐があります。今年も現地、そしてテレビで選手たちの熱戦をひとりでも多くの人に見てもらいたいと思っています」
なお、選手たちの間では、今大会の優勝者は「いっそのこと池に放り込もうか。それも盛り上がるんじゃないか」という話が出ているという。裾野カンツリーの18番、パー5を終えた後、果たして誰が"池ポチャ"の餌食になるのか? 「池に放り込まれてもいいから勝ちたい」(中嶋)、「落としにきたヤツを逆に落とします」(室田)。真夏の裾野でシニアが繰り広げる熱戦、今年も必見である。
(文・写真/SC編集部・西崎)