25日、韓国・仁川でのアジア競技大会は男子200メートル背泳ぎ決勝で入江陵介(イトマン東進)が大会新の1分53秒26で優勝した。入江は大会3連覇で、今大会背泳ぎ2冠を達成した。萩野公介(東洋大)は3位に入り、銅メダル。今大会出場全7種目で表彰台に上がった。女子50メートル平泳ぎは鈴木聡美(ミキハウス)が制し、金メダルを獲得。酒井志穂(ミキハウス)、渡部香生子(JSS立石)、星奈津美(ミズノ)、内田美希(東洋大)で臨んだ女子400メートルメドレーリレーは4分0秒94で優勝した。バドミントンの女子ダブルス準々決勝は高橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス)がタイのペアをストレートで破り、準決勝進出。3位決定戦を行わないため、この時点での銅メダル以上が確定した。
「3連覇できて、タイムも満足」。背泳ぎのエース・入江も納得のレースで快勝した。100メートル背泳ぎでは前半先行を許した徐嘉余(中国)に、この日は最初からリードを奪う。100メートルのターン時点では自身の持つアジア記録を上回るペースで泳ぎ、最後まで先頭を譲らなかった。アジア新はならなかったが、1分53秒26は大会新をマーク。100メートルに続き、背泳ぎ2冠を達成した。明日の最終種目、男子400メートルメドレーリレーで大会3冠で締める。

 一方、100メートル背泳ぎに続き銅メダルの萩野は「自分としては不本意」と悔しがった。明日のメドレーリレーには出場しない予定。今大会は7種目13レースに臨み、4冠を含め全種目でメダルを獲得した。7月からのパンパシフィック選手権、インカレ、アジア大会と続いた日程を振り返って「長かった」と正直な気持ちを吐露したが、ここまでの活躍は文句のつけようがなく、今大会のMVP最有力候補だろう。それでも「まだまだ実力不足」と見据えるものは高くにある。

 女子50メートル平泳ぎは、日本選手権同種目を制した鈴木が優勝。自身の持つ日本記録には0秒04及ばなかったが、2回目の出場となったアジア大会で初の金メダルを獲得した。女子の400メートルメドレーリレーでは、大会3連覇中の中国が予選で失格になる波乱が起きた。予選1位で決勝へ進んだ日本は、決勝では2位・韓国に4秒近い差をつける圧勝だった。その他の日本勢は男子100メートル自由形で塩浦が、女子800メートル自由形では地田が銅メダルを獲得した。最終日を残し、トビウオジャパンのメダル獲得数は合計38(金11、銀15、銅12)個となった。

 主な日本人の決勝結果は次の通り。

<男子100メートル自由形・決勝>
3位 塩浦慎理(イトマン東進) 48秒85

<男子200メートル背泳ぎ・決勝>
1位 入江陵介(イトマン東進) 1分53秒26 ※大会新
3位 萩野公介(東洋大) 1分56秒36

<女子50メートル平泳ぎ・決勝>
1位 鈴木聡美(ミキハウス) 31秒34

<女子800メートル自由形・決勝>
3位 地田麻未(東洋大) 8分34秒66

<女子400メートルメドレーリレー・決勝>
1位 日本(酒井、渡部、星、内田) 4分0秒94

【日本のエースダブルスが実力発揮 〜バドミントン女子〜】

 団体で銅メダルを獲得した日本女子が、個人戦でもメダルを決めた。表彰台を確定させたのはエースダブルスの高橋&松友組。高校時代からペアを組む2人が、BWF世界ランキング3位の実力をいかんなく発揮した。前日に行われた初戦(シードのため2回戦)は、インドネシアペアに第1ゲームを奪われる苦しい立ち上がり。それでもその後の2ゲームを連取し、逆転勝ち。何とか8強入りを果たしていた。この日の準々決勝はタイのペアを相手に危なげなかった。第1ゲームを21−14で先取すると、続く第2ゲームも21−12で制し、ストレート勝ち。準決勝へとコマを進めた。

【U−21日本、快勝でベスト8進出 次戦は韓国と激突 〜サッカー男子〜】

 男子サッカーの決勝トーナメント1回戦で、U−21日本代表がU−23パレスチナ代表に4−0で勝利し、準々決勝進出を決めた。日本は前半17分、DF遠藤航がFW鈴木武蔵とのワンツーから右足でゴールに流し込んで先制。27分には鈴木が右サイドからのクロスを打点の高いヘッドで叩き込んだ。リードして迎えた後半はパレスチナに押し込まれる時間帯もあったが、集中した守りでゴールは割らせない。すると30分、途中出場のFW荒野拓馬、37分にはMF原川力がゴールを奪ってパレスチナを突き放した。日本は優勝した前回大会に続いて2大会連続のベスト8進出。準々決勝(28日)では、開催国の韓国と対戦する。

 遠藤、鮮やかな連係から先制点(華城)
U−21日本代表 4−0 U−23パレスチナ代表
【得点】
[日本] 遠藤航(17分)、鈴木武蔵(27分)、荒野拓馬(75分)、原川力(82分)

【トライアスロン、男女ともワンツーフィニッシュ】

 トライアスロンは男子で細田雄一(森永製菓)が1時間49分11秒で大会2連覇を達成。2位には13秒差で田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本)が入った。また女子も上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)が2時間1分47秒で初優勝。井出樹里(博慈会)が2時間3分7秒で銀メダルを獲得した。女子は2大会連続で1位、2位を日本勢が独占する結果となった。