いよいよ日本野球の本場ともいえる関西にも独立リーグの波が押し寄せてきた。
 6日、国内で3番目の野球独立リーグ「関西独立リーグ」が来年より開催されることが発表された。2007年12月に発足した紀州レンジャーズ(和歌山県)のほか、今春にも大阪府、神戸と播州地域(ともに兵庫県)に新しく設立され、4球団でスタートする。
 コミッショナーには昨季まで四国アイランドリーグ(現、四国・九州アイランドリーグ)のコミッショナーを務めていた石毛宏典氏が就任。リーグ運営はインターネット・メディア会社のステラが務める。
 今年10月にトライアウトが行なわれ、1チーム20人で年間72試合(ホームアンドアウエー方式)を行なう構想だ。将来的には8球団での運営を目指す。

 既存の独立リーグも徐々に拡大化が進んでいる。05年、最初に産声をあげた四国アイランドリーグは、今季より「四国・九州アイランドリーグ」と名称を変更し、福岡、長崎を含めた6球団でリーグ戦が行なわれる。また、昨年スタートした北信越BCリーグも今季より群馬、福井が加わり、新たに「BCリーグ」となった。両リーグともに、さらに拡大が進むことが予想される。

 一方、同じ独立リーグでも両リーグの運営理念は異なる。「選手育成」を運営の柱としている四国・九州アイランドリーグに対し、BCリーグは「地域振興」が第一の理念に掲げられている。石毛氏がコミッショナーとして迎えられることを考えれば、関西独立リーグもアイランドリーグと同じ「選手育成」を前面に打ち出してくる可能性は高い。

 いずれにしても野球の本場ともいえる関西に独立リーグが設立されることで、他の地域への影響は大きいと見られ、今後全国に広がる可能性は十分にある。47都道府県それぞれに球団が設立される日もそう遠くはないのかもしれない。

 しかし、そのためには関西独立リーグを含めた3つのリーグの成功が不可欠だ。野球人気が最も高い半面、関西地区には高校野球のメッカ・甲子園があり、阪神、オリックスといったNPB球団も存在する。その中で果たして県(府)民は独立リーグに目を向け、球場に足を運んでくれるのか。トップに立つ石毛氏の手腕が問われそうだ。