25日、日本バスケットボール協会(JBA)の改革を主導する「JAPAN 2024 TASKFORCE」の第3回会議が行われた。男子のナショナルリーグ(NBL)とターキッシュエアラインズbjリーグを統合し、来年10月にスタートさせる新リーグへの参入条件を発表した。会見で川淵三郎チェアマンは「これから各チームがどう努力していくか。私も非常に期待をしております」と語った。国際バスケットボール連盟(FIBA)のセントラルボードメンバーであるインゴ・ヴァイス氏は「6月のセントラルボードで(資格停止処分を)解除できる感触を得ている」と、これまでのタスクフォースの仕事ぶりを評価した。今後は4月に新リーグの法人を設立し、入会審査がスタートする。
(写真:会見終了後、笑顔で握手を交わすヴァイス氏と川淵チェアマン)
 新リーグの輪郭が見えてきた。トップリーグ(1部、2部)と地域リーグの3部構成。川淵チェアマンは「長い目で見て、ホームアリーナがあるからこそ、多くのファンがそこに集い、応援することにつながる。8割プレーするホームアリーナは絶対必要」と、トップリーグは年間ホーム試合の8割を実施できるホームアリーナを義務付けた。その収容人数は1部(12〜16チーム)は5000人収容、2部(16〜24チーム)は3000人を目処とする。

 その他の主な入会審査基準は、1部の選手構成をアマチュア選手各チーム2人まで、2部はプロ選手が5人以上必要とした。またトップリーグは各チームが若手育成のためのユースチームを持つことを必須。経営面では債務超過でないことを原則とし、赤字の場合は2年以内に解消できる具体的な計画の提示が求められる。1部は年間収入を2億5000万円以上、2部は1億円以上あることが目安となった。クラブライセンス制度も選定基準とは別に定められる方針だ。

 新リーグへの参加は、NBLとその下部リーグにあたるNBDL、bjリーグの各チームを対象に4月末まで募集する。入会審査後の7月末に1〜3部に振り分けられることとなった。

 19日には女子のU-19世界選手権(7月、ロシア)に日本代表の出場を認めないとの通知をFIBAから受けた。同選手権の抽選は3月、エントリー締め切りは5月のためである。ヴァイス氏は「個人的には申し訳ないと思っているが、日本のバスケットボールの問題。クリアすることができない以上は出場を見送らせていただいた」と苦渋の選択だったと明かした。

 6月18日から開催予定のFIBAのセントラルボードミーティングで、日本の資格が回復しなければ、夏のリオデジャネイロ五輪アジア予選には間に合わない可能性が出てくる。川淵チェアマンは「FIBAの助言を聞きながらやっている。(回復は)間違いないと思う」と自信を覗かせた。

「これをきっかけにバスケットボール界が夢を持てればいいと思う。今まであまりにも夢が小さかった。今回のリーグ統一によって、子供たちも含めた夢が広がることを願っています」と川淵チェアマン。日本バスケットボール界の新たな船出に向けて、舵は切られた。4月下旬には第4回会議が行われ、JBAの改革案について話し合われる。

(文・写真/杉浦泰介)