20日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2007」(男子)第1ラウンド第3戦が、さいたまスーパーアリーナなどで行なわれた。前日、韓国に完勝し、調子を取り戻しつつあった日本だったが、高さのあるオーストラリアにストレート負けを喫し、連勝を果たすことはできなかった。
(写真:オーストラリアの高いブロックに苦しんだ越川<左>と清水)

オーストラリア 3−0 日本
(25−19、25−21、25−21)
 先発メンバーの平均身長が200センチ以上と脅威の高さを誇るオーストラリアに対し、第1セットの序盤、日本は互角に渡り合った。しかし、徐々にオーストラリアが高さをいかした攻守で主導権を握る。キャプテンのベンジャミン・ハーディやオポジットのポール・キャロルに強烈なスパイクをを決められると、さらには石島雄介のスパイクをブロックで止められるなど、日本は5ポイント差をつけられた。ここで植田辰哉監督がタイムアウトを要求し、相手の流れを切ろうとした。だが、その直後、清水邦広がブロックを意識するあまり、ふかしてしまいアウトにしてしまう。その清水に代えて山本隆弘を投入するも、オーストラリアの勢いは止まらず。結局、25−19で第1セットを落とした。

 続く第2セット、日本は気持ちを切り替えられないのか、オーストラリアにいきなり6ポイント連取を許す。その後、途中出場の越川優の活躍で流れを引き戻しつつあったが、出だしのつまづきが大きく響き、第2セットも奪うことはできなかった。

 そして第3セット、崖っぷちに立たされた日本はようやく息を吹き返し、2度の3ポイント連取などでリードを奪った。しかし中盤以降、オーストラリアの高い壁がまたも日本のアタッカー陣の前に立ちはだかった。清水、越川のスパイクがブロックで完璧に止められ、八方塞がりになった日本をよそ目に、オーストラリアは若きエースのキャロルが次々とスパイクを決めていく。越川のサービスエースなどで日本も粘りを見せるが、最後もキャロルに決められ、ストレートで負け喫した。

(写真:冷静に敗因を分析する植田監督)
 今年9月、オーストラリアにフルセットの末に逆転負けをした日本。借りを返すどころか、試合後の会見で選手たちが口々に発したようにスパイク、サーブ、レシーブ、どれもが「完敗」だった。今後もロシア、アメリカなど日本以上の高さを有するチームとの対戦が控えているが、このままでは今日の二の舞になるとも限らない。植田監督は対策について次のように述べた。

「高さのあるチームには、カウンターアタックの制度を高めることが必要。一本で決めきれなかったら、リバウンドをとるといったフォロー体型が重要となる。コースが見えたときにはしっかり打ち切って、見えないときには一度でシャットアウトされないように、リバウンドを拾ってつなぐといったことをしなければならない」

 22日からの第2ラウンドではアルゼンチンとロシアといった強豪との試合が待っている。メンタル面も含めて、どこまで修正できるのか。植田ジャパンの戦いはまだ始まったばかりだ。
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