20日、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選最終戦(第6戦)で本選出場をかけてU-22サウジアラビア代表と戦う。五輪出場の可能性のある国は勝ち点10の首位日本と同8の2位サウジアラビアに絞られていて、日本は引き分け以上の結果を残せば、4大会連続の五輪出場が決定する。
 長く、険しい道のりだった。2次予選は5ゴールを挙げたFW平山の活躍もあり、全勝突破を果たしたが、最終予選に入ってからは1点が争う厳しいゲームが続いた。第4戦のアウェーのカタール戦では後半ロスタイムの逆転負けを喫し、一度はグループ首位から転落。第5戦のベトナム戦で4ゴールを奪って快勝すると、もう一つのゲームでサウジアラビアがカタールを下したため、最終戦を前に首位に返り咲いた。

 残り一試合、内容より結果が欲しい。ここまで6勝2分と無敗の国立競技場での戦いだが、油断はできない。逆転負けを喫した第4戦は、敵地で1点のリードを奪い、気が緩んだところを突かれた。第5戦も、前半を3点リードで折り返すと、後半の頭に激しく押し込まれた。有利な状況では、どうしても気を抜いてしまう傾向がある。その悪癖を最終戦で出してはならない。

 今回のゲームでは、大量のゴールが必要だった第5戦の4バックから、手堅い3バックへの転換が濃厚だ。五輪出場のためには勝つしかないサウジアラビアは、間違いなく攻めてくる。その猛攻をDF水本、青山直ら不動の3バックを中心に体を張って耐え抜けるか。「最後だからイエローカードをもらっても構わない」と反町監督が語るように、退場にならないように注意を払いつつ、時にはファウルをおかして相手の攻撃を止める選択が必要だろう。

 故障から復帰した主力のMF梶山、MF本田拓はあえて呼ばなかった。「今はいい流れがきている。それを大事にしたい」(反町監督)とベトナム戦のメンバーをほぼ入れ替えずに臨む。試合勘のある“戦える”選手にすべてを託す。

 そして、病床のオシムA代表監督に最高の報告を届けることはできるか。現在のチームには水本、MF水野ら千葉でオシム監督に薫陶を受けた選手をはじめ、MF柏木、MF本田圭らA代表に引き上げてもらった選手もいる。第5戦のベトナム戦後、「病床のオシム監督へいい報告ができそうか」と聞かれた水本はキッパリと言った。「いえ、五輪出場が決まってからです。まだ途中です」。

 フォア・ザ・オシム――。最終戦、恩師のためにも執念の守備で北京行きの切符をつかみとりたい。