柔道の北京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権最終日は4月6日、福岡国際センターで男女計7階級の決勝までを行い、男子100キロ超級で井上康生(綜合警備保障)が優勝した。
 井上は、準決勝で世界選手権覇者の棟田康幸(警視庁)に優勢勝ちをおさめると、決勝では生田秀和(綜合警備保障)に一本勝ちで、優勝を果たした。昨年9月の世界選手権5位、嘉納杯東京国際2位、フランス国際5位となり、北京五輪代表入りは厳しい状況だが、今大会の優勝でわずかに望みをつなげた。
 全日本柔道連盟は大会終了後の強化委員会で、最重量級を除く男女計12人の五輪代表を発表した(男女計6階級は出場権を確保していないため、代表候補となる)。
 女子48キロ級の谷亮子(トヨタ自動車)は1回戦は一本勝ちと好スタートを切るも、準決勝は優勢勝ち、決勝では山岸絵美(三井住友海上)に優勢負けを喫した。昨年に続き決勝で敗れたが、世界選手権優勝の実績を買われ、北京五輪代表に決定した。
 男子の100キロ級は鈴木桂治(平成管財)が全試合一本勝ちで連覇を果たし、北京五輪代表入りへ前進した。同90キロ級は泉浩(旭化成)が初優勝をおさめ、北京五輪代表候補となった。

 女子52キロ級は中村美里(三井住友海上)が優勝し、初の五輪代表入りを果たした。世界選手権銅メダルの西田優香(了徳寺学園職)は1回戦で一本負けを喫した。同63キロ級は上野順恵(三井住友海上)が決勝でアテネ五輪金メダリストの谷本歩実(コマツ)を下したが、北京五輪代表には谷本が選出された。
 同57キロ級は松本薫(帝京大)が決勝で世界選手権銅メダルの佐藤愛子(了徳寺学園職)を下し、初優勝を飾った。代表には世界選手権の実績を買われた佐藤が決定した。

 このほか、男子60キロ級の代表候補は平岡拓晃(了徳寺学園職)に決まり、五輪4連覇を狙った野村忠宏(ミキハウス)は代表候補から漏れた。同66キロ級の内柴正人(旭化成)は五輪連覇に夢をかける代表候補入りが決定。同73キロ級は世界選手権銅メダルの金丸雄介(了徳寺学園職)が初となる五輪代表入りを決めた。

 北京五輪代表・候補選手(※)は以下のとおり。
<男子>
60キロ級  平岡拓晃(了徳寺学園職)※
66キロ級  内柴正人(旭化成)※
73キロ級  金丸雄介(了徳寺学園職) 初出場
81キロ級  小野卓志(了徳寺学園職)※ 
90キロ級  泉浩(旭化成)※
100キロ級 鈴木桂治(平成管財)※

<女子>
48キロ級 谷亮子(トヨタ自動車) 5大会連続5回目
52キロ級 中村美里(三井住友海上) 初出場
57キロ級 佐藤愛子(了徳寺学園職) 初出場
63キロ級 谷本歩実(コマツ)2大会連続2回目
70キロ級 上野雅恵(三井住友海上)※
78キロ級 中沢さえ(綜合警備保障)初出場

★男女最重量級の代表は無差別で行われる全日本選手権、全日本女子選手権の結果を受け今月末に決定する。