14日に開幕したテニスの全豪オープンも男女シングルスではベスト8が出揃い、現在準々決勝が行なわれている。男子では第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がヤルコ・ニエミネン(フィンランド)をストレートで破り、全豪では初のベスト4進出を決めた。また、女子では勢いのあるセルビア勢の一人、イェレナ・ヤンコビッチが2連覇を狙うセリーナ・ウィリアムズ(米国)を下し、こちらも初の4強入りを果たした。
 この後、第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)とジュスティーヌ・エナン(ベルギー)、セルビア勢の若き新鋭のアナ・イバノビッチとノヴァーク・ジョコビッチなど、男女ともに世界のトップランカーたちが準々決勝を戦う。

 その中で注目は女子のアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)だ。第29シードながら3回戦では第2シードのスヴェトラナ・クズネツォワ(ロシア)にストレート勝ちし、昨年の全米オープンに続いての4回戦進出を果たした。さらに続く4回戦ではナディア・ペトロワ(ロシア)に逆転勝ちを収め、自身初のベスト8進出を決めた。

 ラドワンスカはその細身からは想像もつかないほどのパワーを持っている。特にフォアハンドから繰り出すショットは強烈だ。ジュニア時代には2005年のウィンブルドン、翌年の全仏オープンで優勝するなど、同世代の中では頭一つ抜けた期待の若手だ。昨年のスウェーデン・ストックホルム大会ではWTAツアー初のタイトルを獲得。ポーランド勢としては初の快挙を成し遂げ、今や国民の期待を一身に背負っている。

 そのラドワンスカの準々決勝の相手は4大大会では5年ぶりにベスト8入りを果たしたダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)だ。2人の対戦は昨年のインドア大会での1度きり。この時はラドワンスカがストレートでハンチュコバを下している。それだけに、ラドワンスカとしては思い切ってぶつかっていけるだろう。
 世界のトップを相手にどこまで上り詰めることができるか。18歳の新鋭に世界のテニスファンが注目している。
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