みなさん、こんにちは。参議院議員の友近です。サッカーのピッチから国会の赤じゅうたんに活躍の場を移し、日々、勉強をさせてもらっています。このコーナーでは新人議員としての活動の中で感じたこと、国会内の様子などをわかりやすくお伝えしていこうと考えています。みなさんに少しでも政治を身近に感じてもらえればうれしいです。
 早いもので国会議員になって約2カ月半がたちます。議員として最初に(?)活躍できたのは国会ではなく、ピッチの上でした。
 10月13日、僕は中国の大連の競技場にいました。日中国交正常化35周年を記念した第1回の日中議員サッカー大会。元Jリーガーとして“日本代表”に選抜され、中国の議員の方たちとゲームを行いました。

 代表監督は元日本代表のエースストライカー、釜本邦茂さん(元参議院議員)。しかもユニホームは現役の日本代表とまったく同じものです。僕は先輩議員をさしおいて、背番号「11」をいただいてしまいました。

 試合は20分×3本で行われました。特別ルールとして、11人のメンバーに、必ず女性を1人加えた12名で戦うことが決められています。ところが、ホイッスルが鳴り、一番目立っていたのは中国の女性選手。スイーパーのポジションにしっかり陣取ると、日本のシュートやクロスをことごとくはね返します。実はこの選手、中国の女子サッカーの元代表だったとか。どおりで上手なわけです。

 彼女の素晴らしい働きで、日本は中国の厚い壁の前に、なかなか得点をあげることができません。1本目は無得点、2本目は僕が混戦から抜け出して、なんとか1点をとりましたが、中国にリードを許したまま試合が進みました。

「ボールを低く入れず、もっと相手の頭を越すようなシュートを打て!」
 釜本さんの指示もかなり専門的になってきました(笑)。最後の3本目に入って、ボランチで攻撃と守りの両方をやっていた僕が前線に上がることになりました。
「全部、決めてくれ!」 
 他の議員のみなさんが、僕をターゲットにボールをどんどん集めてくれます。そんな中、待望の2点目が生まれました。センタリングに合わせ、ターンして振りぬくと、ボールはゴールネットへ。試合終了前にもドリブルで突破し、左足でサイドを狙って、得点を決めました。

 残念ながら日本の反撃は一歩及ばず、4−6で第1回大会は中国の勝利。個人的にはなんとかハットトリックを達成し、面目躍如といったところでしょうか。来年は日本で第2回大会が開催予定です。次は釜本ジャパンにもっと貢献できるよう頑張ります(笑)。
(写真:背番号11のユニホームを着て釜本監督(一番左)と)

 中国は初めて訪れましたが、やはり日本人に対する感情は決して良いとはいえません。過去の歴史的背景が両者の関係にいまだに影を落としている部分はあるのでしょう。
 ただ、試合に関わった中国の議員や関係者の方とは、わずか1時間の試合で随分、仲良くなることができました。文化、言葉が違っても同じルールで楽しめる。これがスポーツのよいところです。来年、中国は北京五輪が開催されます。スポーツが友好の架け橋になって、お互いの関係が良くなることを期待したいですね。

 国会では予算委員会と、文教科学委員会の委員に配属されました。国会議員は必ず1人1つ以上の委員会に属することが決まっています。たいていは2つ以上の委員会を掛け持つケースが多いようです。
 新人議員ですから選挙前の国会と比較できませんが、現在、委員会での議論は非常に緊張感があるように感じます。先輩議員からも、「これまではこんな雰囲気じゃなかった」との声を聞きました。明らかに先の参院選で与野党が逆転した効果が出ているのではないでしょうか。

 法案を通すため、与党も野党もしっかり議論を尽くす。国民のために良いものであれば、野党の提案も取り入れる。そんなスタイルが生まれつつあります。強行採決で法案をゴリ押しすることはもうできません。これまで“衆議院のカーボンコピー”と揶揄されていた参議院が独自性を発揮し、二院制の意義が出てきています。メディアでは「ねじれ国会」と言われますが、よく考えるとこれは「ねじれ」ではなく、むしろ「正常」なのかもしれません。

 初質問に立つのは、来年の通常国会になりそうです。自分の専門であるスポーツ政策や地域振興策など、ぶつけてみたいことはいろいろあります。先日は衆議院の予算委員会も傍聴させてもらいました。まずはその機会が巡ってくるまでの間、みなさんの意見をよく聞いて、しっかり質問を練りたいと考えています。
 

友近聡朗(ともちか・としろう):参議院議員
 1975年4月24日、愛媛県出身。南宇和高時代は全国高校サッカー選手権大会で2年時にベスト8入りを果たす。早稲田大学を卒業後、単身ドイツへ。SVGゲッティンゲンなどでプレーし、地域に密着したサッカークラブに感動する。帰国後は愛媛FCの中心選手として活躍し、06年にはJ2昇格を達成した。この年限りで現役を引退。愛称はズーパー(独語でsuperの意)。今夏の参院選愛媛選挙区に出馬し、初当選を果たした。
>>友近としろう公式HP


 当HP編集長・二宮清純の携帯サイト「二宮清純.com」では友近議員の現役時代から随時、コラムを配信していました。こちらはサッカーの話題を中心に自らの思いを熱く綴ったスポーツコラムになっています。あわせてお楽しみください。
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